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青Side


一年。

たかが一年、されど一年。

やっと康二が中学を卒業し、
俺らと同じ高校を受験してくれて。

いよいよ今日からまた康二との学校生活が始まった。

とはいえ、授業中は康二とは会えず退屈だ…


「翔太真面目に授業受けなよ?赤点取ったら康二との時間減るよ。」

「げっ…」


どうせ暇だし寝ようと思っていたら
隣の席の涼太に強めに言われて大人しく授業を受けた。

そして休み時間。


「よしっ康二んとこ行こっ!」

「はいはい」


同じクラスの涼太とふっかと佐久間を連れて慌てて教室から出て、
隣のクラスの照と阿部とも合流して康二のいる一年の教室まで行くと、
黄色い声に包まれた。

まぁ…興味は無いからそれを無視して康二に手を振り名前を呼ぶ。


「康二っ!」

「こぉじぃ〜」

「え?向井くんの知り合い?」

「あ、うん…」

「え、そうなん?」

「お兄ちゃんとその友達やねん…」

「え?でも苗字違うよね?」

「…うん。」


康二の元へ行くとたくさんの女子に囲まれていて、
少し戸惑った顔で俺らを見上げた。


「…色々複雑なんやけどね、でも俺としょっぴーもおとんもおかんも皆仲良しやから大丈夫!」


にっこり笑って答えた康二に、
余計なことを聞いてしまったかもしれない…と、
後悔していそうな女の子もようやく笑った。

本当にお前は…


「優しい子に育ってくれてお兄ちゃんは嬉しいよ」


嬉しくて可愛いまんまる頭をぐしゃぐしゃと撫でてやる。


「わっ!ちょっとしょっぴーやめてや!髪の毛ぐちゃぐちゃになるやん…」


わーわー文句は言うけれど、
それでもやっぱり嬉しそうな康二にこっちまで嬉しくなる。


「こいつ、俺の大事な弟だからよろしく。仲良くしてやって」


近くにいた女の子たちにそう声を掛けると
キャーキャー言いながら去って行った。

おい、どこ行くんだ…


「そんな笑顔初めて見た。康二の為だったらそんな優しい笑顔も出来るんだね。」


クラスの女子には冷たいくせに、と
涼太に呟かれて思わず苦笑した。


「別に良いだろそんなん。てか何、友達?」


さっきからずっと康二の隣で俺らと康二を交互に見ている
男の子を見て問い掛ける。






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真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» パス外しました! (2020年12月14日 0時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
かおり(プロフ) - 楽しみにしてます!ありがとうございます! (2020年12月13日 19時) (レス) id: 471bec5651 (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - テンプレ返信ごめんなさい… (2020年12月13日 18時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - かおりさん» コメントありがとうございます!Part2は現在作成中のためパスを付けてるんです…。0時には開けるようにしますのでお待ちいただけたら幸いですm(__)m (2020年12月13日 18時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)
真夏野スピカ(プロフ) - トマト鍋さん» コメントありがとうございます!Part2は現在作成中のためパスを付けてるんです…。0時には開けるようにしますのでお待ちいただけたら幸いですm(__)m (2020年12月13日 17時) (レス) id: ee0c14e74e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真夏野スピカ | 作成日時:2020年11月13日 19時

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