私のお隣さん (ページ14)

今日:23 hit、昨日:6 hit、合計:190,227 hit

14' ページ14

・

聞き覚えのない目覚ましの音

お腹に感じる重み

再び目を閉じようとすると

隣にもぞもぞと動く何か

パチッと目を開け

そーっと隣を見ると

アラームがなり続ける中

気持ちよさそうに

私を抱き枕にして

寝ている樹だった。

みなさんお分かりだろうか

私は昨日今日と、男と寝ています

そんなこと考えてる場合じゃなくて

『樹ッ、起きて！！』

ぶんぶんと彼の身体を揺らす

寝ぼけて居るのか、

私の手を掴みまた眠りだした

『ねえ！樹ってば！！！』

すると、大きな欠伸をして

私の顔を見るなり、

「おはよ」

と、私の頭を撫でてきた

なんだこの彼女感(

アラームを止めて、

立ち上がる樹

「ほら、着替えないと遅刻するよ？」

なんて勝手なこと言い出すから

時計を見ると

7時30分

家を出る15分前

『やっばい！！！！！』

ガタガタと音を立てながら

大急ぎで支度をする

「コーヒー飲む？」

なんて呑気な野郎だ

鍵を忘れた私が悪いんだけどさ

あぁー、ほんとに遅刻する

「置いとくから飲みたかったら飲んでいけよ」

ピンクのマグカップから湯気が立つ

ピンク、、ね (笑)

明らかに女用だろ？それ

まぁいいや、ただの同い年のお隣さんだし

準備が終わって、

自分にしては早い準備時間

玄関までお見送りをしてくれる樹

『ほんとに助かった！ありがとう！』

樹の顔を見てお礼を言う

「次はすき焼きがいいなぁ～」

壁に寄りかかり

腕を組み、

にやにやしながら私に言う樹

『準備しておきます… 』

「うん、ありがとう」

と、私の頭をまた撫でる

「仕事頑張って」

いつもの樹の笑顔で

見送ってくれた

まって、

1つ確認だけどさ、

私と樹って

一緒に寝てたけど

付き合ってないよね？

うん、付き合ってない

けど、何あのカップル感

いやいや、付き合ってないな。

会って全然経ってない奴と

付き合う訳ない

マンションから出て、

綺麗な青空に見を向ける

モヤモヤした気持ちが

少しだけスッキリ

そんな気がした。