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首をぶんぶん降って、イヤイヤする。
Aだってもう18歳だもん、子供じゃないもん。
拳さん、過保護すぎるもん!

『…分かった。ちゃんと反省出来るまで、Aとは会わない。』
『…えっ?』

急にそんなこと言われると思ってなくて、思わず顔を上げて拳さんを見つめてしまう。

『子供じゃないんでしょ?反省するまで会わなくたって平気でしょ?』
『…へいき、だもん…』
『…分かった』

拳さんが自分のキーケースから、Aの部屋の鍵をガチャガチャと外して、ローテーブルにバンッと置いて、それからAの鞄の中にあるキーケースから拳さんの部屋の鍵を持っていってしまう。

『やっ、やだ!それは…やだよ、拳さんっ!』
『会わないんだから、必要ないでしょ?』

そう冷たく言われて、これ以上何も言えなくなってしまって、Aの部屋から出ていく拳さんを涙目で見送るしか出来なかった。

バタン!と玄関のドアが閉まって、シーンと部屋の中が静かになって、拳さんが行ってしまったんだと分かった。

『…っ…』

机の上に置いてあるAの部屋の鍵を見つめて、ポロっと涙が零れて、頬を伝うのが分かる。

まさか、あんな風に拳さんが怒るなんて思わなくて…どうしよう、もう、後悔してる。
ちゃんと謝って、許してもらえばよかった。
合鍵…拳さん、持って行っちゃった。
ずっとずっと大好きな、Aの大切な拳さんとの繋がりだったのに…。

ローテーブルに置かれた自分の部屋の鍵を握りしめると、ついに涙のダムが決壊して、ポロポロとこぼれ落ちる。
1週間後にはクリスマスがあるのに…拳さんと初めて過ごすクリスマスなのに…ずっと楽しみにしてたのに、まさか、こんな喧嘩しちゃうなんて…。



喧嘩したって、容赦なく大学や、バイトはあるから、ずっと落ち込んでばっかりもいられなくて、なんとか気力だけて、バイトに行くけど、『ちょっ、顔ひどいよ!!』ってびっくりされちゃう。
確かに、拳さんと喧嘩しちゃってから、しっかり寝られてないかも。

でも、大学やバイトがあって良かったかも。
家にいたら、きっとずっと泣いてばっかりだと思う。
バイト中だけは、流石に忘れることはできないけど、そればっかり考えては居られないから。

バイトから帰ると、拳さんのお家の電気が付いていて、あ、隣に拳さんがいるんだって思ったらまたら涙が溢れてくる。

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作者名:奈絆 | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年9月19日 22時

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