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05恋愛お悩み相談室 ページ5

「それは困りましたね」



「安室さんほどのイケメンでも恋愛沙汰で悩むのね」



「そうなんですよ。好きな女性にはなかなか振り向いて貰えないんですよね」





3人の視線が痛い。





なんでですか。






なんで私を取り囲むように恋愛お悩み相談室を開いちゃうの?






そして、なんであの人は私のことが好きって装って会話してるの?








意味不明だよ。








「もうこれは、Aさんに好きなタイプを吐いてもらうしか」



「ちょっと園子!」








会話に参加せず放置してたら、ニヤッと笑った園子ちゃんの指先が私の脇腹に伸びてくる。


止めようと間に入ろうとした蘭ちゃんだが、時は既に遅し。








『え…ちょっ……そ…こ……やめ…て笑』




「ほ〜れ、ほ〜れ、やめて欲しかったらさっさと言いなさ〜い」









いや、タイプって言われてもまずこのシュチュエーションでは思い浮かべれない。









手の方に意識いっちゃっててこそばゆい…。







てか目の前のあいざ……安室さんがタイプなんて絶対に口にしたくないし、そもそもタイプじゃない。








しかし、脇腹の弱い私がそんな悠長なことを考えている場合ではない。









よし、ここはまずこう言おう。









『園子ちゃんやめてくれたら考えるから!お願いやめて!!』









するとピタッと手が止まった。









うん、予想通り。









「よしよし。じゃ、吐くまで帰さないわよ?」









ここで隙を見て逃げようと思ったけど怖い。









園子ちゃんがとてつもなく怖いよ。









安室さんなんかお客さんが私達しか居ないことをいい事に、頬杖をついて満面の笑みでこちらを見つめてる。









あぁ!もう!!









こうなったら言うしかない。









『私のタイプは、黒髪の男性ですよ!』







半ばヤケクソ気味だった。








バイトくんの外見と反対のタイプを言っとけばなんとかなるだろうと、胸を張ってドヤ顔をかましていると









「安室さん、黒染めできますか?」




「えぇ、いいですよ。それが彼女の好みであるのならば」









蘭ちゃんとそんな会話を繰り広げられていた。









なんでくっつけたがるんだよ蘭ちゃん。









心の底からやめて欲しいと叫んでも聞こえる訳もなく、どうやら私の考えは甘かったようだ。

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作者名:星香 | 作成日時:2019年5月8日 17時

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