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38.まるで姉上のような… ページ39

〜沖田Side〜




数日前、俺と近藤さんと土方さんを訪ね
Aが突然屯所にやってきた。





『3人に頼み事があるの』





真剣な面持ちでそう言うA。





『私は高杉晋助と関係を持っている』




何を言い出すのかと思えばそんな事。
最初はキツイ冗談だと思った。


だが淡々と言葉を並べて話すAに
俺達の表情は自然と強張り

そして衝撃の事実を知らされた。





『自分が何やったか分かってんのか!!』





理由はどうであれ、姉のように慕ってた女が
自分達の敵と繋がり犯罪を犯 して…

まるで裏切られた気分だった。



そしてAの頼みは

高杉と離れる為に話をするから
俺達にも来てほしいという事だった。



だが俺達が付き添って話をするワケでもなく
2人の様子を覗いて突撃するワケでもなく

自分が斬られてから動いてほしいとの事だった。





『黙って斬られるのを見とけってか』

『じゃないと意味がないの。私を斬らないと奴の中では終わらない』





Aの言う事も一理ある。


奴の性格上、邪魔が入ったら
余計Aから手を引きやしねェ。

奴自身の意思で終わらせねェと。





『私が斬られた後なら、奴を斬っても捕まえても何をしても構わないから…だからそれまでは何もしないで』




そう言って俺達に頭を下げた。


そこまで頼まれりゃ
これ以上反対はできなかった。





『本当は…生きて帰りたい』





小さく呟かれたその言葉を聞いて、
俺は、俺達は願った。

高杉が何もしねェでAから手を引くようにって…



願ってたのに……







.







.







「高杉ィィィィ!!!!」

「てめェらの考えなんざお見通しなんだよ」





血まみれで倒れるAを見て我を忘れ
高杉に向かって行き、刀を交える。





「やめろ総悟!!」





いつもいつも俺をガキ扱いして
だから負けじと俺もおちょくり返して


でも何でだろう…


顔も性格も全然似てねェのに
いつの間にか姉上と重ねて見えたA。


ただ年上の女が
俺の周りにはいなかっただけかもしれねェが

何にせよ俺にとって大切な奴には変わりない。





「奴の相手ならいつでもできるだろーが!!忘れたのか!!」






”いいか、第一に優先するのはAちゃんの命だ”





こいつを斬らねェと旦那に合わす顔がねェ。


だが近藤さんの言葉を思い出し
俺は振り上げた刀をそっと下ろした。


3対1じゃ分が悪い高杉は
ニヤリと笑い、この場を去って行った。

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なさん(プロフ) - アリスさん» どういたしまして! (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - 〜KBとか〜MBとかです。上手く説明できないのでググってみてはどうですか? (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 容量とは、、、?すみません。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - アリスさん» 絵というより容量ですね。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なさん | 作成日時:2016年4月11日 16時

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