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25.羽ばたけなくなった蝶々 ページ26

男はそれから黙って
お酒を飲んでいた。


気まずい…この空気…



てか、こんな事誰にも話した事ないのに
何でこの人に喋っちゃったんだろう。





″共犯者″


その言葉が私達を繋いでいるからなのか。

人を殺めた気持ちは
この人にしか共感してもらえないからなのか。


少なからずこの男に
心を開きかけているのかもしれない。








.








だけど、これが大きな間違いだった。

この男の罠にまんまと
ハマってしまったのだから。







.








「俺に手を貸せ」

「えっ?」

「報酬の代わりに、てめェに金を落としてやるよ」

「で…でも私はこれ以上…」





もう人なんて殺したくない


そう言いかけた時
男は手に持っていたグラスを置き
私の顎をクイッっと持ち上げた。





「殺させやしねェよ。手を貸すだけだ」

「犯罪…には変わりないんでしょ?」





すると鋭い目付きが私を捉える。





「俺はてめェの罪の肩代わりをしてやった」

「共犯…じゃ…」

「同じ事だ。なんなら俺がサツにでも言ってやろうか?俺は別に構わねェぜ。どうせ追われてる身だからなァ」

「…」

「そうなりゃ両親にも知られるだろうよ」





目を付けられた。


狙った獲物は逃がさない、
とでも言いたそうな瞳。



脅しだった。
私はとんでもない奴に弱みを握られてしまった。


自分が無知なばっかりに…
自分が弱いばっかりに…





「何故自分がこんな目に…ってか?教えてやるよ」

「…」

「気に入ったからだ。その真っ直ぐな目が」





意味が分からない。


気に入ったのなら
何で私にそんな思いをさせるの?






「その目が汚れていく様を見たくなっちまってなァ」

「……っ」

「俺と一緒に地獄へ堕ちようや」





こいつからは逃げられない
こいつには逆らえない


何より私にはもう
両親に会う資格はなくなった。








.







羽根を、折られた瞬間だった。





______
________

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なさん(プロフ) - アリスさん» どういたしまして! (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 教えて頂きありがとうございます。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - 〜KBとか〜MBとかです。上手く説明できないのでググってみてはどうですか? (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 容量とは、、、?すみません。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: e6bf6e1bae (このIDを非表示/違反報告)
なさん(プロフ) - アリスさん» 絵というより容量ですね。 (2017年10月7日 23時) (レス) id: 7d29fdf294 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なさん | 作成日時:2016年4月11日 16時

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