【銀魂】キャバ嬢に恋した銀時くん

10.火のないところに煙は立たない ページ11

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″すまいるのA、枕してるらしいよ″


″なんかヤバいのがバックについてるんだって″


″太客何人いるんだろう″


″彼氏って真選組の沖田？″


″銀髪の男だろ？一緒に帰ってんじゃん″


″Aは男いないぞ″







「はぁ…」

「溜め息つくくらいなら見なきゃいいのに」







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掲示板。


そこには目撃情報から根も葉もない噂まで
様々な事が書かれている。





「ついつい気になっちゃうんだよね。お妙ちゃんも書かれてるよ」

「何て？」

「ゴリラを飼育してるって」

「あんのクソゴリラがあああああ！！」





いや、それは近藤さん悪くないよね？
書いた人が悪いよね？


ってそんな事はどうでもいい。



私が時々掲示板をチェックしているのには
ちゃんと理由がある。


じゃなければ落ち込むのを分かってて
わざわざこんな物見たりしない。

まぁ悪口書かれても気にしないけど。





携帯をパタッと閉じ、今日も営業開始。
長い夜が始まる。







＊＊＊







「んなモン見てねェで喋れよ」

「……あなたのせいでしょ」





私はまた携帯で掲示板を開く。





「客だぞ」

「何を喋るの？」





隣で酒を嗜む客に目も向けず答える。

我ながらキャバ嬢の態度ではないなと思うけど
この客は例外だ。





「俺に歯向かうってのか」

「誰がいつそんな事したの？言われた事は完璧にやってるでしょ」





この空気が大嫌い。
この男が大嫌い。








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「10g、60万…」





男はそう言いながら
その内の半分、30万円を懐にしまい





「それで好きなモン頼め」

「…」





残りの30万をテーブルに投げ捨てた。


私は言われた通り
一本30万のシャンパンを頼む。

男は飲まない。
甘いお酒は嫌いらしい。



私が他にお客さんが来てると
男はたいていチェックをする。

お客さんがいない日は
しっかり1セット飲んで帰る。

理由は知らない。



生憎、他のお客さんは
すでに帰ってしまってて









だから今日は思ったよりも
長い長い一日だった。

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