79.遠ざかっていくアイツ ページ32
私は全員殺した後
気を失って倒れてしまい
目が覚めると病院で
左腕に包帯を巻かれた状態だった。
左胸はもう使えないって…
「……腕、大丈夫?」
「大丈夫大丈夫!」
神威はまだ知らない。
言えるわけない。
でもバレるのも時間の問題だった。
***
「A…それ…」
翌朝、看護婦さんが包帯を変えに来てくれた時に
見られてしまった。
「……平気だよ、早く家に帰ろう!」
「だから助けてなんかほしくなかったんだ」
「神威!?」
「それじゃ…もう…」
神威が変わったのはそれからだった。
.
「神威、腕の事は気にしないでね」
「…」
「組手しよう!」
「気分じゃない」
そっけなく私を突き放し
神楽とも話そうとしない。
「A、俺も本当の夜兎の血に目覚めたみたいなんだ。相手になってよ!」
そう言って私を蹴り飛ばす。
「ゔっ…」
「あれ?そんなに弱かったっけ?」
今までとは違う。
組手なんかじゃない。
「殺すつもりでやらないとAが死んじゃうよ?」
「…」
あの目は本気だ。
これが覚醒ってやつなのかも。
私が神威を助けた時のように…
***
「いい加減にしろよ!!私が何したって言うんだよ!!」
「うるさい」
「やめてよ2人とも…」
神楽は震えていた。
「何で…おじさんを…」
「強くなる為だよ」
「神威なんか大嫌い!!」
「あっそ」
おじさんを殺そうとして
家を追い出される神威。
「前の優しいアンタに戻ってよ…何でそんなに強くなりたいの?」
「お前には関係ない」
雨の中、神威の背中を
神楽とただただ見つめていた。
「どこいくの…マミーをおいてどこいっちゃうの…」
「失せろ。弱い奴に用はない」
「神威…」
「……もう俺を忘れてくれ」
そう言って神威は去って行った。
雨と一緒に涙は流れ落ちる…
それは神楽も同じだった。
「兄ちゃん…」
「……神楽、あいつは私が止める。私があいつを元に戻してやるから」
「本当?」
「どんだけあいつと喧嘩したと思ってんの?力ずくでも何とかするよ」
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モモ - この作品とっても面白いです!!!沖田と神威、最高です!!! (2015年8月31日 13時) (レス) id: 0593e0ea3b (このIDを非表示/違反報告)
春花 - 沖田きゅん格好いい!私いつもドSだけど、うん。沖田きゅんのためならドMになってもいいッ!!!!!! (2015年6月21日 10時) (レス) id: 0495e26250 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - やけマヨw マヨリーンハーフw三角関係で泣いたのにこの落差wwやっぱこの小説大好きです!思わず2コメしちゃいました! (2015年6月5日 5時) (携帯から) (レス) id: 3b8b7e5795 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 何度読んでも面白いです♪これからも更新頑張ってください!! (2015年5月11日 20時) (レス) id: bf0a57686e (このIDを非表示/違反報告)
サユ - 続編おめでとデスゥー! これからも頑張って下さい★☆ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 20acbef3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なさん | 作成日時:2015年5月3日 7時