75.戦い続ける意味 ページ28
「お前が私の左腕を気にして本気を出せない事くらい、昔から気付いてる。勝手にお前が負い目を感じてる事くらい」
「…」
「何度やり合ったって勝負はつかない。分かってるはずなのにいつも一丁前に殺意を向けてくる。何でよ?何の意味があるんだよ!!」
ただ無駄に体力を消耗するだけで
意味なんてないはずなのに。
.
「お前が俺の横にいるからだよ。昔だって今だって」
思わぬ答えが返ってきて
私は拍子抜けする。
「お前の言うとおりだよ。俺達はライバルのままでよかったんだ。なのにお前が俺を助けたばっかりに、俺にとってライバルじゃなくなった。俺のせいなのに本気なんか出せるワケないだろ?そんなハンデなんかいらない」
「…」
「ライバルから護らないといけない存在になった。その為に誰よりも強く…そう思った。でもお前は俺と居ちゃいけないんだよ。俺は夜兎の血が強くなりすぎたから」
だから何なの?
「俺がまた危ない目にあったら、またお前は俺を庇おうとするだろ?だから俺から離れてさえくれればよかった」
「…」
「なのにお前は春雨にまでやって来た。いつも何度でも、俺を追いかけて…そういうとこが昔から嫌いなんだよ」
私は、知らないうちに涙を流していた。
初めて神威の気持ちを知ったから。
できれば聞きたくなかった…
「意味…分かんない…こっちの気も知らないで…どんだけ自分勝手なんだよ」
「お前も分かっただろ?命を助けられた気持ちが。自分の弱さが、自分の不甲斐なさが、それに腹が立つ気持ちが」
「私のせいって言いたいワケ?」
「そうじゃない」
今までずっと背を向けていたが
そう言ってこっちに振り向き
「A、昔から一人が嫌いだったもんね。でももう護ってくれる人がいるじゃん」
そう言って沖田を見を見る神威。
「沖田は関係な…」
「俺は心置き無く暴れたいんだよ」
「…」
.
「……もう俺を忘れてよ」
涙でぼやけて神威の表情は見えなかった。
ただ神威はあの時と同じように
私に背を向けて去って行ってしまった。
467人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
モモ - この作品とっても面白いです!!!沖田と神威、最高です!!! (2015年8月31日 13時) (レス) id: 0593e0ea3b (このIDを非表示/違反報告)
春花 - 沖田きゅん格好いい!私いつもドSだけど、うん。沖田きゅんのためならドMになってもいいッ!!!!!! (2015年6月21日 10時) (レス) id: 0495e26250 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - やけマヨw マヨリーンハーフw三角関係で泣いたのにこの落差wwやっぱこの小説大好きです!思わず2コメしちゃいました! (2015年6月5日 5時) (携帯から) (レス) id: 3b8b7e5795 (このIDを非表示/違反報告)
舞花(プロフ) - 続編おめでとうございます! 何度読んでも面白いです♪これからも更新頑張ってください!! (2015年5月11日 20時) (レス) id: bf0a57686e (このIDを非表示/違反報告)
サユ - 続編おめでとデスゥー! これからも頑張って下さい★☆ (2015年5月6日 14時) (レス) id: 20acbef3cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なさん | 作成日時:2015年5月3日 7時