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冬哉side

「……ぎゅーして?」

「いいよ。こっち側きて。」

闇は頷いて俺の前にきた。

闇は俺に抱きついてきた。

俺はそれを抱き返した。

「どうしたの?」

「……別に?」

闇はこれが好きなのか?

闇は顔をうずめた。

「闇、寒くない?」

「……んー。寒ないよ。」

その割には冷たいしちょっと震えてるけどなぁ。

「闇、とりあえず体温だけ計ろ?」

「……ん。」

闇はこっち側にもたれかかる。

「萊都、そこにある体温計とって。」

体温計を指さすと萊都はすぐ取った。

「あ、ほいどうぞ。」

「ありがと、萊都。」

萊都からもらった体温計を闇に渡す。

闇はゆっくり計った。

ピピピッ、と音がして闇は俺に体温計を渡した。

……35.2か。

「冬哉。闇何度だった?」

「35.2。毛布取って。」

萊都に体温計を返して歩に毛布をもらった。

「歩、ありがと。」

俺は闇に毛布をかけた。

「……眠い。」

「闇、寝ときな?」

闇は頷いて俺に体を預けた。

萊都、歩、時雨は心配そうにこっちを見ている。

しばらく闇を撫でていると静かな寝息が聞こえた。

闇はいつも白いがさらに白く見えた。

「闇寝た?」

「寝たよ。」

時雨が寄ってきた。

時雨は俺の隣に座った。

「冬哉。俺らのこと、どれくらい知ってるっけ?」

「そんなに?」

時雨は優しく闇を撫でながら笑った。

「俺らね、小学校から一緒なの。闇と俺は施設の時からだけどね。」

施設?

どういうことだろう。

「施設に入ったのは……幼稚園でいう年長さん、5歳だった時。とある事情で施設に入ることになった。闇と同じ部屋になったんだ。その時から闇は耳が悪かった。あ、なんでかは闇に聞いてね?それで俺は仲良くなったんだよね。」

へぇ……。

「ま、俺のことだけ話すか。事情ってのは、虐待なんだけどね。ほんとにちっちゃい時から親に虐待されてたらしい。それで、近所の人がどっかに通報して親は捕まってーみたいな。それで施設に入れられたんだよねー。ま、そんな感じ。」

……いつか俺のも話すか。

聞いてて気持ちがいい話じゃねぇけど。

ちらっと闇を見ると、さっきと体勢を少し変えていた。

「ふぅ……。な、俺も寝ていい?」

「どーぞ。」

俺は闇に抱きつかれたまま、目を閉じた。

さっきかけたまま流しっぱなしのCDを聞きながら眠りについた。

今度、話せたらいいな。

俺は眠りに落ちた。

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夏夜桜 - 夢華さん» 面白いんですか?ありがとうございます!更新頑張ります。 (2019年1月9日 22時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
夢華 - とっても面白いですね!更新楽しみにしてます!がんばって下さい! (2019年1月9日 18時) (レス) id: ceff9b5b24 (このIDを非表示/違反報告)
夏夜桜 - 更新頑張りますね!何かあったらコメント欄に行かせてもらいます。設定ありがとうございました。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: dbd4689f32 (このIDを非表示/違反報告)
大手裏剣(プロフ) - 購入ありがとうございました。応援しています!更新頑張って下さい。なにがあればご連絡下さい。 (2019年1月8日 21時) (レス) id: 930f4adcc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夏夜桜 | 作成日時:2019年1月8日 20時

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