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学校 ページ42

監視カメラの映像を眺めていた私はその日何度目かの溜め息を吐いた。
「見つからない…。」
「見つからないって何がなんですか?」
「それは…ってえぇ!何で坂本さんがいるんですか?!」
私が振り向いた先には昨日の書類を作る時に情報を提供してくれた坂本葉子さんがいた。
「何でって非道いですね。情報提供に来ました〜。あと私的な相談です。」
「それはお願いします。丁度暇だったので来てくれてよかったですよ。」
あっけらかんと私が云い放つと
「仕事中に暇って云って善いんですか?」
可笑しそうに坂本さんは笑った。でも少し今日は何時にも増して暗い気がする。
「偶には善いんですよ。多分そろそろ国木田さんが帰ってくるのでその前にさくっとお話を聞かせて下さい。」そう云いながら私はそっと録音装置とついでに隠しカメラも起動させた。それは情報提供の証拠を残すためと坂本さんが不利益を被るようなことになったら助けるためにも必要なのだ。勝手にしているのが少し申し訳無いけど仕方がない。
「はい、先ずは此の飴と此のガムです。上橋さん達が探してる物だと思います。で此を流しているのは森元和真、奥田日南、井野原蓮、木ノ下里沙が中心になってるグループです。」
そして坂本さんはジップロックに入った証拠品とICレコーダーを差し出した。
此処までして貰うとと坂本さんが睨まれたりしないかなって心配になってくる。
「ありがとうございます。助かりました。名前なら掴んでたんですけど如何せん証拠が無くて…。」
国木田さんが調べに行ったけど先生経由だからどんな結果になるかは分からない。でも生徒からとなると裏付けは必要だが生の声が聴ける。
私はそれが少し嬉しかった。
「坂本さん他には何か在りますか?」
「後は個人的な相談をしたいんです。えっと上橋さんに、なのでお仕事とは少し関係無いかも知れないんですけど…。」
確か坂本さんは一部でイジメのターゲットになっていた事が在った筈だ。不正を暴くためとは云え学校内を引っかき回している以上話だけでも聞くべきだろう。
「気にしなくていいんですよ。是非聞かせて下さい。」

一度俯いてからじゃあと云って坂本さんは話始めた。
「私…此の学校の後ろ暗いところ、もっと知ってるんです。でも確証が無くて…先生達にも相談は出来ませんし…暗黙の了解として皆が秘密を守ってるんです。」
坂本さんの話が終わると私はこっそり綾を坂本さんの護衛として陰に潜ませた。

*長らくお待たせしました。

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作者名:れな | 作成日時:2017年1月13日 0時

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