リボンの色は? ページ36
彼の後私が何か手掛かりは無いかと考えているときだった。谷崎さんから私のパソコンに写真が届いた。其処には赤色のリボンとホルダーに入ったままのちゃちな拳銃が撮られている。ちゃちというのは大きさや製品名がと云うよりもデザインがまるで玩具のようなのだ。
こんな物を前に一度見たと思った。比較的最近の情報屋さんからの調査報告書の中に在った筈。ええと確か3Dプリンターで拳銃を作った人達が居るとか、そうだそれだ。でも其れを作って居た人達は警察に捕まったと聞いたから流通してしまっているのかな。逸れに此と今回の依頼との関わりは何なのだろう。流通経路から組織、依頼との関係も分かるかも知れないけれどえらく遠回りな気もする。あと、取引が行われて居るとして一体なにを取引しているのだろう。暫く私が考え込んでいると太宰さんが声をかけてくれた。
「菜穂子ちゃんどうしたの?」
「少し考え事を。えっと頼まれていた見張りの件なんですけどリボンを置いていったり、昨日綾に調べて貰った感じでは取引が行われて居る事は間違い無さそう何ですけど決定的な証拠や手掛かりが無くて。」
「へぇじゃあ昨日は取引は行われて居ないのかい?」
「はい店の裏口すら殆どない路地なので人通りもそんなには無いんです。でも足跡と臭いから15人位が留まっていた様なのでそうじゃないかと思ったんです。」
「そうだねえ、では此処は一つ先輩らしい助言でもしようじゃないか。情報量が同じ時は裏をかけ、でも情報量で劣っている時はどうしたって勝てないよ。」
つまりは手持ちの情報から分かることから辿っていけと云うことだろうか。
「分かりました。では行ってきます。」
そして私はあの工場に関係している所へ事情を訊きに出掛けた。
先ずは取引現場の近くからと思って来てみたら早速ビンゴかも知れない。だって場の雰囲気が怖い。
「姉ちゃん何処のモンや?」
「探偵をしている者です。依頼の関係でお話をお聞きしたく参りました。」
「探偵の姉ちゃん俺らにも個人の自由ってゆうのが在るんやけどなあ」
「何が狙いやねん」
チンピラさん達今持ってる拳銃が証拠だって気付いてないのか。
「跳弾の後が残っていたので拳銃、又は其のたぐいの物を使った事は分かっています。逸れに最近先日拳銃密造の件で逮捕されたところから製法を聞き出して居たことも分かりました。で、本題です。或る会社の裏で取引されてませんか?あと私達の動きに気づいていらっしゃる方が居ますよね。」
「はぁ?」
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作者名:れな | 作成日時:2017年1月13日 0時