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今日は ページ32

私が書類整理をしていると包帯が太宰さんに見つかってしまった。他の人には何とか誤魔化したけど太宰さんには誤魔化せなかったようだ。
「菜穂子ちゃん、此どうしたの?」
「寝ている間に引っ掻いたみたいで傷になっているんです。」
「包帯緩んでるよ。見せて?」
黒い笑み…嫌ですとは云わせてくれない。私は大人しく医務室に連れてかれ腕を見せた。
「何が在ったの?」
「悪い夢を見てて気づいたらなってました。」
我ながら苦しい言い訳だと思う。
「菜穂子、どんな夢だったンだい?最近は隈も非道い。眠れて居ないンじゃないかい?」
与謝野先生は何時になく真面目だ。
「えぇと、ごめんなさい。云えません。」
あんまり訊かないで、既に泣きそう。もう嫌われたく無いし、厄介者に見られたく無い。
私が俯いていると太宰さんは私の頭に手を置き
「云えないなら云わなくていい。けど何時かは教えてね。」と云った。
「ありがとうございます。」そう答えるのが私には精一杯だった。


◆太宰視点
「国木田君、菜穂子ちゃん休ませたから仕事宜しくね!」と私はあっけらかんと云った。菜穂子ちゃんにお茶を飲ませた時に与謝野女医に頼み睡眠薬を入れて貰ったのだ。
「太宰、上橋までたぶらかす心算か?」
私はどれだけ信用が無いのだい?
「国木田、今回に限ってはそンな訳無いよ。菜穂子の隈見たかい?彼は眠れてないねェ。」
「与謝野女医、菜穂子ちゃん見てきますね。」
「ああ、太宰頼むよ。ついでに起きたら事情も説明してやりなよ。」勿論そのつもりだ。私はええ、分かっていますよと手を振り事務フロアを出た。


◆菜穂子視点
逸れから数時間後。直ぐ傍に太宰さんがにこにこ顔で居るのは何故でしょう。後、私何故寝てたの?
「菜穂子ちゃんお早う。よく寝むれた?あの時急に倒れたから驚いたのだよ?」
「倒れたんですか?!すみません。ご迷惑を…」
「太宰、何やってんだい。睡眠薬を入れたのは妾達の方だから菜穂子が気にすること無いよ。其れにしても薬の効き時間ぴったりだねェ。」と与謝野先生は溜め息をついた。
何時の間に来てたんだろう。え、睡眠薬?!でも久しぶりに夢に魘されること無く寝れたかも。
「ありがとうございます。どれくらい寝てたんですか?」
「ざっと6時間位だねェ。そうだ、今日飲みに行かないかい?未成年組は飲めないけど妾らの奢りでさ。」

凄く楽しそう、だけどご馳走になって善いのかな…。

飲み会(視点無し)→←夢見



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作者名:れな | 作成日時:2017年1月13日 0時

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