起こしてはいけないこと ページ18
私と鈴さんが廊下を歩いていた時だった。
「丁度よかった。菜穂子ちゃん直ぐに来て！鈴さんもお願いします。」と走って来た太宰さんが慌てた様子で云った。
「何があったんですか？」
「大朗さんが倒れたらしい。与謝野先生はもう行った。」
「国木田さんは大丈夫何ですか？」
「うん、着いたよ此処だ。」
中に入ると与謝野先生が大朗さんを診ていた。其処は書斎で図鑑から小説まで様々な本が置いてあった。「与謝野先生、大朗さんの様子はどうですか？」と太宰さんが訊くとよく分からないと首をふった。国木田さん曰く2時間程読書をしていてポットに入ったハーブティーとコーヒーを鈴さんが持って行ったとのこと。確かに私も一緒にお菓子を持って行ったからそれは覚えている。一時間と少し前だっただろうか。
暫くすると救急隊が来て大朗さんは病院に運ばれた。私と与謝野先生、太宰さんは此処に残り国木田さんと鈴さん、雅人さんだけが病院に付き添って行った。(鈴さんと雅人さんは車だった。)
私はポットを調べてみようと思い立ちキッチンを借りる事にした。私はキッチンペーパーの上にハーブを種類別に取り出した。
「ミントかな？が4枚、レモングラスが5本と此の細いの…何だろ？」
「お姉さん何呟いているの？遊んでるの？」
「わ！何だ、花乃さんか。遊んでないよ。ハーブを並べてたんだけど一つ分からないのが在るの。ところでお母さんと伯母さん達はいいの？」
「あっちに行ってなさいって、お仕事が在るんだって…退屈だもん。お母さん達も遊んで貰えって云ってた。ねぇいい？」
えぇとどうしようかな？そんな簡単に任せて善いものなのか？でもそんなにキラキラした目で見つめられると断りにくい。其処で私は並べたハーブを写真に撮り、分からない葉っぱを一枚づつとってラップでくるんだ物を4つ作った。
「じゃあ此を持っていてくれるかな？絶対に無くしたり食べたりしちゃ駄目だよ。分かった？」私が確認すると分かってる！と花乃さんは息巻いていた。私は花乃さんの頭を撫で与謝野先生か太宰さんに頼もうと連絡を取ろうとした時だった。
「太宰さん、与謝野先生ちょうどよかった！植物図鑑って在りませんでしたっけ？」
「植物図鑑なら大朗さんの書斎に在った筈だけど…。何に使うの？」
「此です。持ってきますね！」と太宰さんに分からない葉っぱを渡した。そして私は図鑑をとってきて云った。
「葉っぱを調べようと思って。私は外を調べたいのですが…行ってきていいですか？」
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作者名：れな | 作成日時：2017年1月13日 0時
