トリップとかありない？《文スト》 (ページ13)

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遭遇ページ13

兎に角嫌な夢だった。汗が酷くシャワーをしたくなる程だ。ええと今は5時。早すぎたなとは思うけれど寝れそうに無いのでひとまずシャワーをしようと立ち上がった。

さっぱりした！さてと、朝ご飯でも作りますか。冷蔵庫を開けて適当な物を引っ張り出しついでにお弁当も作ってみた。
まだ余裕を持ってみても30分程時間があるので散策がてら向かうことにした。

大通りを歩いてみても人は少ない。少し路地が気になって入ってみようとした時其処から出てくる人とぶつかってしまった。
「す、すみません。」
「厭、俺の方こそすまねェ。」
私はその人の異様な感じにのまれた。鉄臭い血の臭いと暗く何処か懐かしいような冷たい匂い。
「おい、大丈夫か？名前は？」気がつくと其の人が私を見つめていた。
「は、はい大丈夫です。上橋菜穂子です。お名前は？」
私が我に返りそう云うと、其の人は云わなくて善いと笑った。そして其処で別れた。

◇其の人
其の人－中原中也は車に乗り込んだ時ふとさっきの女を思い出していた。確か名前は上橋菜穂子。どう見ても裏の人間には見えないが路地へ入る事が危険だと知らない人間は居ない筈だ。そこで、部下に女の名前を調べさせた。絶対に何か出てくると思っていた。

しかし、何も見つからないと云う答えしか返ってこなかった。

◇菜穂子
さっきの感覚は何処かで感じた事があった。考えているうちに思い当たることが一つ浮かんできた。それは異能を発動させた時だ。あの暗く懐かしい冷たい香りの正体が何かまだ何か知らなかった。

もし知っていたら彼の場で名前を云うことはなかっただろう。