流れています ページ2
私溺れております。誰か助けて。
水に落ちたときは浮いて待てって云うけど無理。何故って何かが足に絡まってるんです。
コートのベルトみたいなのですが…。
その、それが人みたいです。どうか土左衛門では在りませんように…!水死体は見たくない。
こんな事考えている場所じゃなかった。私が土左衛門逝きになってしまう。
私がそんな事を考えていると岸から泳いでくる人が見えた。そしてその人は私を岸まで運んでくれた。
私が咳き込んでいるとその人は凄い剣幕で
「彼の男と流れていると云うことは真逆心中か?!」と私に云った。
この人は何を勘違いしているんだろう。
心中なんてそうあることではないと思うけど?
「そんな訳在りませんよ!けほっ川に落ちただけです。さっきは助けて頂いてありがとうございました。」
「嗚呼、もう一度訊くが本当に心中ではないんだな?」
「そうです。」
肩痛いからそんなに強く掴まないで欲しいな。そしてそんなに念を押す必要はないし多分そこ傷になってるからね。
私は信じて貰いたくてこくこくと頷いた。
「私は上橋菜穂子です。貴方のお名前は?」
「俺は国木田独歩だ。小娘、其の傷はどうした?」
傷いまさらですよね。
あと小娘って云うな!内心私はムッとした。
11人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れな | 作成日時:2017年1月13日 0時