【池沢佳主馬】夏の戦争ともうひとつの恋【短編】

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嘘だと叫びたかった。

何故だと怒鳴りたかった。


画面内のキングカズマが動かない。


無数のアバターを取り込んで巨大化したラブマシーンの前で動かない。


佳主馬「あ、ぁぁあ…」


敗北。

ラブマシーン相手の、二度目の敗北。

キングカズマが負けた。

俺が負けた。

ラブマシーンを止めることができなかった。


夏希「嘘…」

健二「佳主馬くん…」


呼び掛けるような声にも答えられない。


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守れなかった。


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佳主馬「ぁあああああ！」


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家族を。


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佳主馬「ぅ、う…ぅぁ…………っぅう」


涙が溢れてくる。

馬鹿みたいに止まらない。


佳主馬「ごめん…ぅ…俺っ…、…守れなかった……」


部屋は静まり返ってる。

画面の中ではキングカズマがラブマシーンに取り込まれた。


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指が動かない。

体が動かない。

ただ情けない。


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そのとき、


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「ありゃなんだ!?」


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突然の誰かの叫びに小さく顔をあげた。

ディスプレイに映るのは


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『カズマを泣かせたヤツは死なす!!』


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そんなメッセージウィンドウを携えた、

一体のアバターだった。


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佳主馬「………っA……？」


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