【池沢佳主馬】夏の戦争ともうひとつの恋【短編】

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『カズマを泣かせやがって！』

『消す!!』

『死なす!!』


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そんな言葉を背負った美しい毛並みの狼型女性アバターが、

ありえないほどの速度でラブマシーンへと向かってる。


「なんだあれっ？」
「キングカズマの熱狂的ファンか…？」
「何する気だ？」


健二「無茶だ、飲み込まれちゃうよ！」


健二が声をあげる。

その通りだ、すぐ飲み込まれる。


はずなのに、


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『見てるだけのつもりだったのに!!』

『カズマ泣かせやがって聞いてんのかクソッタレ!!』


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ラブマシーンから放たれる無数のアバターの中で、

ラブマシーンからアバターを引き剥がすようにもがいて、倒れない。


佳主馬「…人工知能だよ…」


聞いてるわけないじゃん。


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見てるだけのつもりだったのに、

俺が、

泣いたから、

俺が、

負けたから―――


なんだそれ。


健二「し、知り合いなの？」

夏希「友達？」


馬鹿みたいだ。

顔が熱い。


佳主馬「……、かも……ね」


ああまったく…

Aってわかったわけじゃないのに、

なんでこんなに嬉しくなってるんだよ！//


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？？「佳主馬ぁぁああああああああああああ！！！」


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