第34話 青学の柱 ページ35
夕方。
場所は青学コートではなく、高架下のコート。
そのコートの前に私は立ちながら、越前と部長の試合を見守っていた。
“越前と試合させてください。”
そう竜崎先生に部長が頼んでいるところを偶然見て、後に審判をやって欲しいと部長に頼まれここにいる。
結果としては越前は負けた。
だけど、部長も手加減せず本気だった。いや、本気を出さなければならなかった。
越前もラケットを左手に持っている辺り、本気だったのだろう。
手塚「越前、お前は青学の柱になれ。」
越前「！」
『……。』
部長が怪我をしていることは試合を見ていて分かる。左腕だろうか。
試合中の動きに違和感があった。
最後は見事なドロップショットだったが、細かな調節が求められるそれは腕が負傷していては失敗する可能性もある。
部長は去る前に、こう言った。
手塚「越前。次に九条に試合を申し込む時は俺に勝った時だ。」
越前「！」
それは奇しくも、九条Aが手塚より強いということを暗示していたのだった。
――――――――――
都大会2週間前
最近は何故か練習試合の申し込みが多く、竜崎先生は手の内を見せたくないのか断りまくっている。
しかし、それでも諦めきれず偵察に来る者も多く。
この間なんか不二先輩が水道の蛇口に指を当てて吹き出した水を当てるとワラワラと出てくる始末…。
『……あぁもう！うっとおしい！！』(怒)
R((((めっちゃ怒ってるー！！！))))
乾「今のところ偵察に来た人数は49人。去年よりも1.75倍増だ。」
『乾先輩、分かってるんなら追い出してくださいよ。』(黒笑)
乾「あ、あぁ。」
多分、地区予選で1年レギュラー越前の実力が知れ渡ったため、偵察野郎が増えているんだろうが。
『なんで私にまでついてまわるわけ！？』
どうやら私も何かしでかしたようで(全く覚えはない)付きまとわれている。
マネージャーだからずっとコートにいる訳でもないし、尾行しやすいとか思ってんだろ。バレてっからな貴様ら…。
竜崎「マネージャー！」
『はいっ！』
なんですか？と竜崎先生の所へ行くと、都大会出場校が出揃ったらしく、それを伝えに来たと。
都大会の常連校氷帝、Jr選抜経験のある千石がいる山吹中などなど。
『了解です。レギュラーには私から伝えておきますね。』
竜崎「あぁ頼んだ。」
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作者名：黒薔薇 | 作成日時：2021年1月14日 1時
