天泣 ページ21
司法の塔、3階。
レインは偶然にも、レッドと対峙していた。
ﾚｯﾄﾞ「随分元気そうになったね。死にかけてたのにさ」
ﾚｲﾝ「…お蔭様でな」
レインはハッと笑う。
ﾚｲﾝ「お前を倒せば、Aを救える。…俺はついてるな」
ﾚｯﾄﾞ「さっきシアンさんも言ってたけど、まるで罪滅ぼしみたいだね」
ﾚｲﾝ「さっきも言ったが、罪滅ぼしになるとは思ってねェよ」
レインの脳裏に浮かぶのは、10年前のあの日の事。
『龍王は血縁を嫌う。…龍の姫の儀式とは、その縁を断ち切る事。つまり、貴女自身の手で、母であるツバキ王妃の命を奪って頂きます』
『何を、』
『その小刀でツバキ王妃を殺めなさいと申しているのですよ』
悪魔のような男だと思う。
『拒否権などありません。姫君が龍の姫として生まれた時から、決まっていた運命なのですから』
幼いAに微塵も容赦をすることなどなかった。
『口には気をつけた方がいい。貴女の軽率な一言で、多くの命が失われる事もあるのだから』
ﾚｲﾝ「……っ」
ーーシアンの考え方は常軌を逸している
ーーでも、俺も同罪だ
何もしなかった。
儀式後、覚醒は結局“失敗に終わり”、1年もの間、AはCLにいた。
その間、Aの身に起きた数々の出来事は、まさに地獄と称してもおかしくないものだった。
何も、できなかった。
Aに人体実験が為され、何度も命の危機に瀕しても。
儀式の再現と称して、無理やり大勢の命を奪わされても。
次第に感情を失っていくAの姿を見ていた筈なのに。
『レイン！もう猶予はない！あの子が壊れてしまう…！』
『待てリア！闇雲に連れ出してもすぐに捕まるのがオチだ！計画を立てないと、』
すぐに動こうとするリアを止めて、逃走ルートや身を隠す場所まで決めて。
漸くAをCLから連れ出した時には。
『おい、行くぞ！』
『…』
Aの心はもう、壊れてしまっていた。
ﾚｲﾝ「何をしても俺の罪が消えることはない」
どうしたってAの傷が、消えることはない
ﾚｲﾝ「でも、Aが今…生きたいと思える理由があるのなら、その障害になるものを、俺は全力で取り除く」
レインは自身の愛刀…天泣を抜き、構えた。
ﾚｲﾝ「あいつが心から笑える日が来るように、俺は戦う！これは償いじゃない……最低限の義務だ！」
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夏目海(プロフ) - 白猫さん» コメントありがとうございます！レインの話は勿論ですが、オムライスのエピソードも考えてはいるので、出せるように頑張ります！ (2023年5月1日 15時) (
レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
白猫 - 今後、レインがどうなってしまうのかとても気になります。レインが敵になると、とても強そうですね（笑）話の内容が、今後どうなるか気になります！なにげに、夢主がオムライスを作っているところ、食べているとこがみたいです。 (2023年4月30日 16時) (レス) id: ceb4aa3e93 (このIDを非表示/違反報告)
冬眠。(プロフ) - 夏目海さん» 迷惑にならなくて良かったです........！この作品大好きです、これからも頑張ってください！(⑉･ ･⑉) (2023年4月7日 12時) (レス) id: a8a625eabf (このIDを非表示/違反報告)
夏目海(プロフ) - 冬眠。さん» ご指摘ありがとうございます！訂正致しました。気を付けてるつもりなのですが、結構誤字もあるので、教えて頂けるととても有り難いです…！ (2023年4月7日 10時) (レス) id: 0c76f179cc (このIDを非表示/違反報告)
冬眠。(プロフ) - コメント失礼します。和心一閃の回ですが、レッドとレインのセリフが逆になっている気がしました。迷惑でしたら申し訳ないのですが…一応報告させていただきました。( . .)" (2023年4月7日 1時) (レス) @page33 id: a8a625eabf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夏目海 | 作成日時：2023年2月19日 8時
