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五話 ページ7

「………」


バスケって、いろいろルールがあるんだな…


本も読み終わったし、どうしよう。


…実践あるのみ、かな。


「桜!愛!ちょっとでかけてくる!」


「「行ってらっしゃい!」」


それから、技を磨き上げて三時間。


だいぶわかってきた時。遠くのベンチで誰か項垂れているのが見えた。


走っていくと、彼は水色の髪をしていた。


…もしかして、愛の言っていた…


「…どうしました?」


「!?」


「?」


どうしたのだろう。何故かすごく驚いている。


「…あなたは?」


「誠凛高校一年、安藤雨です。」


「そうですか…、僕は帝光中3年、黒子テツヤです。」


やっぱり、カラフルメンバーか…


「黒子さんですか。こんな所でどうしたんですか?」


彼は、ぽつりぽつりと話してくれた。


「僕、バスケ部に入っていて、キセキの世代の一人なんです。そのキセキの世代が……、崩れかけているんです。」


「崩れかけている?」

「はい、一年の頃は楽しくて、明るくて…、真面目に取り組んでいたんです。二年になって新しい人も入って、もっと楽しくなって…」


そこまでは輝いていたのに、どんどん表情が曇っていった。


「でもその後、監督が交代し、チームは完璧勝利主義を強めていったんです。そして、能力も開花し…、チームワークはもはや無く、自分さえ点を入れればそれでいい。…最初はそれでもよかった。でも、最近…、自分の中で何かが欠落しているようなきがして…」


「………」


なるほど。強者しかわからない悩みだね。


確かに、自分より優れているものはいないと思い始めるから、チームワークはいらなくなる。


「…僕、どうしたらいいんでしょう…」


「…あなたは、何がしたいですか?」


「えっ?」


「あなたのやりたいようにすればいいんですよ。」


「ですが…、やりたい事など僕には…」


案外近くにあるのに、やりたい事。


「…正したいんじゃ無いですか?あの頃の楽しかった時のように。」


「!!」

「時間はまだあります。もし部活をやめたいのならやめればいい。空いた時間で何が正しいのか、何が間違いなのか、学べばいいんですよ。」


「!!」


「そしてわかったら、誠凛へ来なさい。きっとあなたにしか出来ないプレイ。あなたの居場所が見つかると思います。…やるかやらないかはあなた次第。頑張ってください。」


「…はい!!」


彼は、やりたい事を見つけたような顔をしていた。

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設定タグ:黒バス , 水戸部 , 誠凛   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:ゆうにゃん | 作成日時:2016年8月20日 11時

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