【REBORN!】不思議の国シリーズ (ページ30)

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『君達が、僕を止めてくれたんだね、ありがとう』

いきなりそんなことを言われて、思わず驚く。声を掛けようとすると、それを遮るように彼は口を開く。

『同じ名前じゃ言いにくいから僕はラウで君は名前で呼ぼうか』

話を早く済ませないといけない、そんなふうに聞こえる声にアラウディは嫌な予感を感じた。だがアラウディ…ラウはそれに気付かずどこからともなく出した椅子に座る。

「君は…このままここにいていいの」

『…いきなり直球なことを聞くね』

「君の最愛が君が帰ってくるのを待ってる」

『…知ってるよ』

ラウは何もかも諦めたような顔をしていた。けれど、その目には強い意志がある。

『あの子は…どうしてる？』

「君の名前を呼んで、泣いてる」

『…そう。僕はここから出られない』

「その理由は？」

『わかるだろう』

アラはラウに視線を向けた。そして数秒視線を合わせていたラウは暗闇に視線を向ける。すると声が聞こえてきた。

『お前は逃げられない』

『この悪夢から覚めることはない』

『さあ、また最悪を振りまくのだ』

『僕は負の感情を取り込む。それは聞いたと思う。でも、逆に僕が目を覚ますと負の感情が不思議の国にあふれてしまうんだ。

だから、僕が目を覚まして、あの子が、僕の最愛が作ったものを壊したくない。』

――…だから僕は、ここにいなければならない。

それはとても悲しい、決断であった。