弐十九 ページ29
バレンタインデー当日。
Aは空き時間をぬい、お菓子を完成させた。
当日ということもあり、茶屋であるひの屋はいつもに増して、客入りが良かった。
「いらっしゃいませ！あっこれバレンタインなので、どうぞ！」
「えっこれAちゃんの手作り？ありがとう！はい、これ、私からも」
常連の客に渡したり、その客から貰ったりとバレンタインデーを満喫していた。
勿論、ひの屋で常日頃お世話になっている日輪や晴太達にもお菓子を渡した。
「わーい！ありがとう！Aちゃん！美味しそう！」
「ありがとうねえ、A。ふふ、『いつもありがとうございます。大好きです！』ねえ。アンタもなかなか隅におけないわねえ」
Aは嬉しそうにメッセージカードを見る日輪に恥ずかしくなってそっぽを向いた。
店が落ち着いた頃、日輪は月詠とお菓子を皆に渡しに行くよう促した。
日輪の優しい提案に月詠とかぶき町に足を運ばせた。
まず、出会ったのは本当は会いたくない黒い制服姿の男達である。
「あ」
「あ、お前」
ブイ字髪の今すぐにでもAをしょっ引きそうな男は、ぎらりと目を光らせた。
それに続き、気だるそうに歩く男と、こちらに気づいて手をひらひらと振る大柄な男。
(ここで恩を売っておけば、少しは大丈夫なはず！)
甘い感情を心に秘めながら、にこりと笑う。
「お勤めご苦労様です。これバレンタインなんであげます」
「なんの差金だ？こんなもんで俺達を騙そうと？」
「そういう訳じゃないですよ。何ですか、折角作ったのに貰ってくれないんですか」
そう言うと、近藤は嬉しそうに満面の笑みで笑った。
「えっAちゃんの手作りなの！？いいの、そんなの貰っちゃって」
「どうぞ。皆さんの為に作りましたから」
「ありがとう！」
「沖田さんもどうぞ」
「ヘイ、どーも。中に変なもんでもいれてないでしょうねぃ」
「別に入れませんよ。はい、土方さんも」
強引に押し付けるもなかなか受け取ろうとしない土方。
「土方さんにはマヨネーズ入りにしといたのに」
「マヨっ…！？」
「俺のには何も入ってなかったみてぇですけど、土方さんには毒物が入ってら」
「何が毒物だ！総悟てめぇ！」
奪い取るようにしてお菓子を手に取り、もぐもぐとお菓子を口に含んだ沖田の襟を掴む。
そのまま彼らの元を後にし、お菓子を共に作った彼女ら宅を回った。
そして最後に万事屋に行き着いた。
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Nattu(プロフ) - 麗羅さん» お返事遅くなって申し訳ございません。コメントありがとうございます*辰馬凄く好きなので自家発電にと書いていましたが、読んでいただけて幸いです。楽しみながら書きたいと思います*^^ (2021年2月20日 1時) (
レス) id: 8022db4695 (このIDを非表示/違反報告)
麗羅 - 辰馬の小説、少ないので嬉しかったです!面白くて、次が楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年10月29日 16時) (レス) id: 9e2ac1505a (このIDを非表示/違反報告)
Nattu。（2代目）(プロフ) - れんりさん» れんりさん、はじめまして。コメントありがとうございます。とても嬉しいです…ゆっくりとではありますが更新していきますので、よろしくお願いします!! (2016年4月11日 22時) (レス) id: db806a29f6 (このIDを非表示/違反報告)
れんり(プロフ) - 凄く面白いです！！更新楽しみに待ってます…！ (2016年4月10日 9時) (レス) id: 285e1a358c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nattu | 作成日時：2015年11月17日 23時
