ブラックマジシャンガールll【はじめしゃちょーの畑】 (ページ10)

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甘えたさんな彼女ページ10

たなside

朝ここに来てから、Aの様子がおかしい。

どうも膝をすりすりしては、色んなところをきょろきょろしている。

なんだか、何かして欲しそうな。

ここではっと思い出す。

Aは、半年に一回くらいの頻度で、甘えたさんになる。

それが何故なのかは謎だけど、ストレスとか、疲れとかからなんだろうねってみんなで話した。

俺たちと性別が違って、視聴者さんに悪く言われる事もあるA。

そりゃ、疲れるよな。

だから俺たちは、しっかり褒めたりしてる。

た「Aー。何か相談とか乗ろうか？」

そんな彼女の横に座って、話しかけてみる。

『ううん。ねえねえりゅう？』

ほらこういう時だけりゅう呼びすんの。

可愛すぎるでしょうよ。

た「なに？」

『ねむたい。』

ただただ眠いってだけの報告。

た「ちゃんと寝ろよ？」

うとうとしているAの頭をぽんぽんっと叩く。

『寝ていい？』

半開きの目にそんな事言われて、断る男なんて居ないよ。

た「いいよ。」

俺の肩にこてんと頭を乗せてくる。

た「いい夢見ろよ。A。」

動けなくなっちゃった。

や「あら、Aちゃんが甘えたさんの日なの？」

た「何キャラっすかそれ。」

や「オネエ。」

た「そうっす。眠たいみたいで、寝ちゃいました。」

流石に1人ソファで寝かすのも可哀想だし、それだったら俺の肩に乗せといた方が良いはず。

けどこれだと編集も出来ないし、何も出来ない。

だ「おはよー。あれぇ！？たなっち遂にAに手出した！？」

た「出してないっすよ。甘えたさんなだけです。」

だ「ああ、なるほどね。」

Aがこういう調子だと、いっつも勘違いされる。

仕方ないというか、なんというか…。

嬉しい反面、いろいろ誤解されるから、その誤解を解くのが面倒臭い。

や「ヤバイね…反則級のかわいさ。素でこれだからまた良い。」

なぜこんなにかわいいのか。謎で謎で仕方がない。

ーーーー

結局あれから何時間かこのままだった。

た「もう起こして良いっすよね？」

凸「多分良いと思いますよ。本人も起きそうですし。」

そうだよね、と返事して、体を揺する。

た「A？」

『…ん？なに？』

いつのまにか膝枕にして寝てたA。

た「昼飯、食べるぞ。」

『わかったあ。』

寝起きも、かわいい。