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文章が好きです、表現の幅尊敬します、ミステリアスな睡蓮さんの雰囲気にやられました、うちのインタビューを受けて胸の内を全部晒しちゃいましょう……
担当さんが置いていった資料を次々と読み進めていく。正直、どのラブレターも要約すれば一言で終えられるような文ばかりで、肝心の私の本への感想はどこにもない。きっと彼らの目的は、『素性を隠していた作家がついに初インタビューを承諾！！！』と見出しをつけたいだけだ。
映画化の話を聞いた時、やっと私の文章が誰かに読まれるんだ、日の光を浴びられるんだと嬉しかったのに。こんな適当なラブレターで作家が釣れると思わないで欲しい。馬鹿にされている気がした。やはりメディアなんて、信用するもんじゃない。
全ての資料を読み終わり、担当さんに断りの連絡をしようとして立ち上がったその時、私は机の下に落ちてしまっていた最後のラブレターを見つけた。
「
睡蓮先生は、誰かに愛されたいと思ったことはありますか。僕はあります。睡蓮先生の小説と出会ってそう思うようになりました。先生の作品の登場人物は皆孤独を抱えています。愛をテーマにしているのに、誰も愛を知らない。先生にとって愛ってなんですか。一度お会いしたいです。お返事待ってます。
東海ウォーカー 松村北斗
」
驚いた。愛への描写を指摘してきたのは、今までに小説コンクールの審査員長と担当さんだけだった。私はこの小説を通して読者と愛とは何かについて考えたかったのかもしれない。だから愛への細かい描写ができなかった。
すぐに担当さんに電話を掛ける。
「もしもし、私です。インタビューの件ですが。松村さんとは一度お話ししてみたいです。はい。その方向で、お願いします。」
これが、全ての始まりだった。
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はくまい(プロフ) - Hano.さん» コメントありがとうございます。亀投稿で申し訳ないです。なるべく更新頻度を上げられるように頑張りますので気長にお待ちいただけるとありがたいです。 (2021年8月19日 20時) (
レス) id: 294edd9998 (このIDを非表示/違反報告)
Hano.(プロフ) - この作品が大好きでずっと読み返してます！これからも頑張ってください！更新待ってます！ (2021年8月19日 15時) (レス) id: 34064f93e5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はくまい | 作成日時：2021年6月22日 18時
