薄 明 時 雨【 原神 】

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「というか、客卿(かっけい)殿も毎年迎仙儀式の頃は忙しそうですよね？往生堂が送仙儀式を用意するのは知ってますけど、迎仙儀式は七星では…」

「…気にするほどのものではない」




　口には出さないものの「いや気にするわ」と静かにツッコみを入れる。

　一癖も二癖も…というのはこういうことだ。浮世離れしていると感じてしまうほど整った顔立ちに、目の縁(ふち)をなぞる赤いアイライン。時々垣間見える、恐ろしいまでの“何か”の片鱗(へんりん)。
　行動だって意味深(ヘン)なところが多いし買い物の時は金額も自分の財布も見ずに高(た)っかいの買うし…色々と思い返してみると、相変わらず常識外というかなんというか。やっぱり変な人だな…




「儀式を見にきたのならそろそろ向かうと良い、時間だ」




　「客卿(かっけい)殿は、」…どうされるんですか。そう言い切る前に、客卿(かっけい)殿は小さく微笑んで璃月港とは反対側へ歩いていった。私はただその、なぜだかすっきりしたような面持ちに違和感を抱いていた。

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