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「…騒々しい」仙人も不快を覚えたようだった。殺生をせずに彼らを送り返せ、と命令口調で言い放った仙人は、空中へと体を透かして
「なんか投げやりだな…試されてるのか?オイラたち」
「多分そうでしょうね。まぁ、こちらには百戦錬磨の旅人サンがいるので大丈夫だと思いますが」
「からかわないで…、!」
向かってくる千岩軍の兵を軽く避けながら、旅人は迎撃体勢をとった。攻撃を躱されて体勢を崩した兵士に深く蹴りを入れ、次に襲いかかってきた兵士にも素早く対応。
滑らかに足を動かし、意図的に攻撃を受け続けて一ヶ所に三、四人の兵を集め…そこから風元素で竜巻を起こせば、まとめて兵士達は向こうのほうへ飛んでいった。
ふぅ、と旅人が一息ついた所へ、ずっと戦況を見守っていた隊長と呼ばれていた男が勢いをつけて走ってくる。その右手には、他の兵士よりも大きい長槍。
旅人はすかさず剣を抜き、振りかざされた槍を弾いた。しかしそれに耐えた男は攻めの姿勢を保ち、旅人をめがけてもう一度突き刺すように槍を前に出す。
旅人は高くジャンプしてそれを回避、そのまま重力の圧を利用して地面に着くと同時に男へ
容赦なく、旅人は男の首に剣の刃を添える。「ここから出て行け」威圧的に細められた黄金の眼に、「ひィ…」と男は震え上がり。そして挙句には「隊長!」と己を呼ぶ声に返事すらせず、間抜けに腰を抜かして「て、撤退!」と足早に絶雲の間から去っていった。
***
場の兵全員の後ろ姿が見えなくなったのをきちんと見届け、パイモンが「おーい、終わったぞ!」と空気へ叫ぶ。すると香炉の周りに突然仙人が現れ、「さて」と話の続きを促した。
「ええと…確か、今日迎仙儀式があったってところまでだったよな?」
「うん、実はそこで…岩神が、」
ぴく、と仙人が巨大なツノを揺らして反応した。───「ころ、された」瞳孔が大きく見開かれる。
空気が変わった。驚き?怒り?悲しみ?ごちゃごちゃになって感じ取ることさえ分からなくなってしまった感情が、この場に織り交ぜられている。
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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります!一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
夢 - 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新頑張ってください! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね! (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)
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