薄 明 時 雨【 原神 】

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　「七星は見物人たちがやったんじゃないかって言って、それで…俺たちが、疑われてしまって」視線をどこにやればいいのか分からなくなってしまったようで、旅人の目が段々と下を向いていった。場は陽気な鷹の鳴き声とピリピリとした雰囲気で一杯一杯だった。

　「言語道断…！」少しの静寂を破ったのは、仙人の声。数分前の千岩軍の大声とは比べ物にならない程の大きさで、脳が絶雲の間自体が揺れていると錯覚してしまうくらいには憤怒に似た感情を感じられた。
　「実に嘆かわしいッ！！！」それは一種の憐れみだったように思える。「璃月七星…失望したぞ」と七星への蔑(さげす)みを顕(あらわ)にした仙人は、しばらく上を向いて情報を整理してから、「一つ案がある」と言ってこちらを向いた。




「しかし、我の独断では危うい…他の仙人たちに知らせる必要があるだろう。その“禁忌滅却の札”を持って、我の言葉を伝えに行くとよい」

「誰に伝えれば良いの？」




　「理水畳山真君、留雲借風真君。この二人はここにおるが、会えるかどうかは縁(えにし)次第だ」流れに身を任せるとよい、なんて仙人が占いのような言葉を吐く。聞いたことのない長い名前に戸惑っているらしい旅人はちらりと私に目線を寄越した。なんで私を見るんだ、とは思ったがこれも信頼されている証だろうか。




「それともう一人、降魔大聖の護法夜叉がおる。彼の者には“望舒旅館”に行けば会えるだろう」




　「それでは然(しか)らばだ、名も無き旅人たちよ」必要最低限の情報だけを残し、仙人はそれを最後に先刻のように目を閉じて消えていった。

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