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当時、Aを令嬢と呼ぶには幼すぎた。公爵の愛しの妻との間に出来た唯一の愛の結晶であるAは外の世界を見たことがない、いわゆる箱入り娘。メイドや執事とおままごとをするか母親に本を読んでもらうことしか遊びをしらなかった。
そんなある日、Aは10歳の誕生日を迎えたのだ。公爵令嬢というだけあって彼女の宴会は盛大に行われ、顔も知らない見ず知らずの人でさえ彼女のために宴会に出向いた。
「Aお嬢様、誕生日おめでとうございます。」
「ありがとう。」
先生のお教えの通りに綺麗にカーテシーを披露するAは10歳という年齢には見えないほど大人びている。外にでる機会が今までに無かった彼女にとって暇を潰せるものならいくらでも時間を費やした。それが勉学や礼儀作法だったのである。
「流石は公爵殿の子供ですな。10歳だというのに立派な大人みたいだ。」
彼女にとってそれは数ある褒め言葉の一つに過ぎなかった。近くで父親と見知らぬ男の会話を聞いて頬を緩ませる彼女に何人ものの人が「おぉ!」と感嘆の声を漏らす。
_彼女の笑みは宝石のように美しかった。
同年代であれば誰しもが彼女に魅入られているだろう。
時間が経つにつれて賑やかになっていく宴会。その宴会に怪しく嗤う者も紛れて居るとか居ないとか。本日の主役を見つけるとまるで獲物を見つけたライオンのように、彼女の背後にまで迫ってきていた。
刹那、
「とても綺麗な
辺りは明かりを失い暗い暗い闇に放り込まれてしまった。
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因幡 - 続き楽しみにしてました… (2020年4月24日 13時) (レス) id: c0af763869 (このIDを非表示/違反報告)
えりか(プロフ) - こんばんは、初めてコメントさせていただきます。設定やストーリーがとても面白いです!続きがどうなるのかとても気になるのですが、もう物語を更新する予定は無いのでしょうか? (2020年2月29日 2時) (レス) id: bcece27663 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きっくん x他1人 | 作成日時:2019年10月13日 21時