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今日は密着2日目。
翔は昨日と同じように作業の様子や生徒一人一人の特徴をじっくり見ていた。
スタッフの方に声をかけて校舎を出た私は、正門の外で仕事の電話をしていた。
4,5件ほどの電話を終え、教室へ向かおうとしたとき、たくさんのダンボールを抱えた1人の生徒がこちらに歩いてくるのが見えた。
あれ？たぶんあの子…。
なんとなく見ていたら、その生徒は向かいから歩いてくる人とぶつかってダンボールを落としてしまった。
その子は謝ってから、散らばったダンボールを拾い出した。
私は手伝うという名目で駆け寄り、顔を確認した。
やっぱり。
「二階堂くん、ですよね？」
「…えっ？」
「あ、私は…、密着スタッフの1人です」
櫻井翔のマネージャーであることは言わないほうがいい気がして、とっさに番組スタッフだと言って誤魔化した。
「大丈夫？」
「はい。ダンボール、ありがとうございます。ここ乗せてください」
そう言って二階堂くんは、自分の抱えているダンボールの上に視線をやった。
この量のダンボール、下手したらまた落としかねない。
「あ、クラスまで運びますよ」
「いや、そんな…。スタッフさんにまで手伝ってもらうなんて…」
「いいから、いいから。行きましょう」
「え、あっ、ちょ…」
多少強引だったかもしれないけど、やっぱりこれでよかった。
さっきはかなり歩きづらそうだったから。
引っ越しのおかげでダンボールの山を運び慣れている私は、二階堂くんと一緒に3年2組の教室に戻った。
「ありがとうございました。そこの箱に入れておいてください」
「了解です」
教室の隅にはダンボールを入れる用のダンボールが用意してあった。
やはりこの子、準備がいい。
「17時になったので今日の密着は終わりになります。ありがとうございました」
スタッフの方が声をかけ、今日の密着は終了となった。
毎日下校時刻まで密着するのは難しく、今日明日はこの時間に切り上げることになっていた。
明林高校を後にして、雑誌の撮影に向かうべくスタッフの方々とも別れ、車に乗ろうとしたときだった。
櫻「やっべ、スマホ忘れた！」
「えっ？」
櫻「松潤にLINE返したとき、そのまま机に置いてきちゃった！」
「えー！？ まったく、何やってんの？」
櫻「ごめんなさい」
「…取ってくる」
櫻「あ、俺も行く」
2人で再び3年2組の教室へと向かった。
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作者名：なつらい | 作成日時：2018年8月5日 17時
