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ーangle:翔
「サプライズゲストはこの方です！！」
MCの言葉に、客席のボルテージは最高潮に達した。
俺はステージへと足を踏み入れた。
ステージ中央へ近づいていくにしたがって、俺を櫻井翔だと認識したのか、客席からはちらほらとブーイングが聞こえてきた。
でもそれ以上に大きな歓声と拍手が俺を迎えてくれた。
「サプライズゲストは、櫻井翔さんでーす！！」
「こんにちは、嵐の櫻井翔です」
自己紹介をすると、大きな歓声と拍手が起こった。
すごい…。
フェスってこんなに盛り上がるんだ…。
「では早速ですが、櫻井さん、スタンバイお願いします」
「はい」
そう言ってMCの方はステージ裏へはけていった。
「How are you feeling, everybodyー！！」
俺は、いつものやつを始めた。
お客さんは予想以上にいい反応だ。
「調子はどうだ？」
「前のほう調子はどうだ？」
「後ろのほう調子はどうだ？」
「Everybody調子はどうだ？」
会場の熱気が高まってきて、歓声も大きくなっていたときだった。
聞こえてしまった。
大きな歓声に混じって、ブーイングの声がー。
「アイドルが何しに来たんだよ！」
「俺らプロのラップ聞きに来てんだよ！」
「下手なラップやるくらいなら帰れよ！」
もしこの声がもっと大きくなったら…。
少しだけ不安になった。
でも、俺にはみんながいるから。
みんなが背中を押してくれるから。
"外野の言葉はシカトする"
俺はただ、楽しむだけ。
「Now, everybody screamー！」
カウントがイヤモニから聞こえてきた。
「道なき道を歩いてく…」
歓声は一層大きくなった。
「迎合せずただマイペース…」
「いま言える いまならば言える…」
「蒔いてた種たち咲いてく…」
ブーイングなんかに耳を貸す必要はない。
「Somebody… Everybody…」
「今時代が手の中に…」
「Pass da mic. Pass da pen.」
「このmic and penでRock the world…」
胸張って言ってやるよ。
これが"サクラップ"だってな！
「道なき道を歩いてく 迎合せずただマイペース…」
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作者名：なつらい | 作成日時：2018年8月5日 17時
