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助けてくれた女性――LINEの名前を見るにAさんと言うらしい――に連絡を取ったのは、火曜日の夜の事だった。
わざわざ礼なんてしなくてもいい、と言ってくれてはいるが、こちらとしてはそういう訳にもいかない。あれだけ迷惑を掛けておいて何もしないのでは、人としてあまりにも不義理である。
木曜の夜なら仕事の後に時間が取れると言うので、最寄り駅近くのカフェで落ち合う事になった。オフィスと彼女の家がすぐ近くにあるという事で、待ち合わせ場所に困らないのは助かった。明日にでも女性受けの良い菓子を山森さんに聞くとしよう。
――それにしても。
改めてあの日の事を振り返ると、少し妙な気がした。腑に落ちないとまでは言わないけれど、助けてくれた彼女の行動が少々引っ掛かる。
幾ら道端で具合悪そうにしている人間が居るからと言って、初対面の男相手にあそこまでしてくれるものだろうか。助けて貰っておいてこんな事を思うのは何だが、少々リスク管理意識が足りないのではないか。
とは言え、彼女はかなりしっかりしている人に見えた。少なくとも、見知らぬ男に対して全く警戒心を持たないような人には思えない。
「もしかして、俺の事知ってたんかな……」
ぽつりと呟いた独り言は、小さな部屋に吸い込まれて消えていった。いずれにせよ、彼女に今度会えばハッキリするだろう。
ベッドに寝転がり、スマートフォンの画面を見つめる。木曜の夜、約束の時刻は十九時だ。
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奈都(プロフ) - Komiさん» コメントありがとうございます。トロイメライが出来上がってる二人の話なので、順番が逆になってしまうのですが、あの関係になるまでにこんな流れがあったんだな、という感じでお読み頂ければ幸いです。出来るだけマメに更新していくので是非今後もお願いします…！ (2019年9月14日 16時) (
レス) id: 1ea9b7d420 (このIDを非表示/違反報告)
Komi(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます！トロイメライの頃からizwさんの2人が大好きで、始まりのストーリーが読めるのがとても嬉しいです^^毎日更新を楽しみに生活しています笑これからも応援しています！！ (2019年9月14日 5時) (レス) id: 31bd00c83a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈都
| 作成日時：2019年8月11日 10時
