二十二片 ページ24
？？視点
「一人確保。これで少しは...。おや？さっそくですか」
冷え切った回廊。人など現れるはずのない空間に、彼は裸足で歩みを進める。
「ここはどのような場所、なのですかねぇ。そこの貴方なにかご存知ですか？」
私を正面に捉える昏い瞳。
「そうですね。簡単に言うとこの世の端っこでありこの世の全て...とか？」
「疑問を疑問で返されてもこちらとしては困ってしまいますよ」
「まあ、私の場所であり私のものではありませんからね」
要領を得ない、と彼は首を傾げたがすぐ余裕のある笑みを浮かべる。
「拉致したのには訳があるのでしょう？」
「拉致、とはこれまた人聞きの悪いことを」
「無理やり連れてくるのは拉致と言わずなんと？」
「まあまあ、どうぞ座ってください」
「これはこれは、どうも。」
「紅茶はいかが？チョコチップクッキーもありますよ？」
「チョコチップとは随分といいチョイスで。紅茶、いただきましょうかね」
やはりこの男は普通の人間とは違う。今、虚無にティーセットを出現させたにもかかわらず、動揺を見せない。当たりで良かった。
「さて、貴方に頼みたいことがありましてね」
「やはり目的がありましたか」
「目的がなく好き好んで男を拉致する人がいるとでも？」
「いるでしょうね。特に貴方のように拉致した上に監 禁する趣味をお持ちの方なんかは特に」
「紅茶の中にタバスコ入れましょうかね」
「謝りますからそれは勘弁してください」
「少し前までいた人ならともかく貴方は冗談が通じるようなので許してあげましょう」
「光栄です。その頼みごととやらは内容によります。それより今の状態について教えてください」
「質問内容は、なぜ自分が精神世界らしきここに実在しているのか。あと貴方のお仲間さんの状況説明と」
「えぇ大体そんな感じです」
クッキーを口に含み紅茶を飲む彼。
自分の思っていることが読まれていると分かっても騒ぐ程のことではないと。
「貴方は捕らわれました。お仲間さんも」
「やはりそうでしたか。それで？なぜここに身体があるのでしょう」
「向こうの貴方はいわばオートマタ。理由があって貴方の体とすり替えさせて貰いました」
「して、理由とは？」
「それが私の頼みごとに関係することです」
「仕方がありませんね。その頼みごと聞かせてください」
「えぇ。一言で申し上げるのなら...私達と共に混沌を創りませんか？」
「ほう...もう少し詳しく、聞かせてもらいましょうか」
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雪兎(月兎)(プロフ) - ユズナ様、ご指摘有難うございます。修正いたしました。 (2015年10月1日 20時) (
レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ(プロフ) - 三十三片、うつ伏せの状態をうつ伏せにするっていう謎の描写が… (2015年10月1日 20時) (レス) id: 3fdd76a3cc (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 1807(銀)様、コメントありがとうございます。そろそろ二期に･･･ (2015年2月2日 0時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
1807 - 銀の名を変えました〜鈴ちゃん、強いなぁ・・更新楽しみにしています (2015年2月2日 0時) (レス) id: 917ddba170 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 銀様、コメントありがとうございます。理由があって人間のままです。マシマロ類の柔らかさが好きです、個人的に。 (2015年1月18日 11時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2014年9月15日 14時
