十七片 ページ19
...ぷ...きゅう...ゅう
頭が痛い。
なにがあったんだっけ。記憶が混濁している。
...ぅ...きゅ...ぷゅう
ぼやける視界にうつる荒廃したコンクリートの床。
オッドアイの男の笑顔がこびりつく。
あれは負けじゃない。少し気を抜いただけだ。
...ぷぅ...ゅう...ポタ
なにかが滴り落ちる音。それとさっきから気になる鳴き声のような音。
片目だけで発生源を見る。そこは血に染まっていた。血だまりの中央に横たわるのは、鈴。
「っ！」
鈴が鳴くのは初めてだった。...それだけ痛いのだろう。
目が開いているから意識はある。落ち着かせるため頭を撫でてやりたいが、檻に入ったままでは触れることができない。
トンファーで壊せるとは思うが、動かすだけでダメージが大きそうな鈴には少しきついだろう。
「ﾁｭﾝ...ﾁｭﾝ...」
場違いな鳥の声。
多くの骨を折られた体を起こし音がしたほうを向く。
そこに黄色い鳥が並盛中の校歌を歌いながら現れた。
オウムには見えないんだけど、どこで覚えたんだろう。
小鳥はこちらに寄ってくる。
足に何かついてると思えば、雑に結われた針金だ。
檻の南京錠を見る。この程度なら針金で解錠できるだろう。
「ちょっと、それ貰うよ」
針金がしてあった足は傷だらけだ。飼い主にやられたのだろうか。
鈴を拾ってから動物に優しくなった気がする。
群れない奴限定だけど。
やっと外せた檻から鈴を解放する。止血...はひとまず腕章で大丈夫だろうか。
どうして鈴がここに居るのかは知らない。
でもさっきのが傷つけたのは確実。咬み殺さないと気が済まない。
少し落ち着いた鈴を抱く。流血で体温が下がっている。
血で汚れるとかそんな小さなことは気にしない。帰ったら拭いてあげればいい。
さっきの小鳥がやってきて体を鈴にすり寄せる。心配してくれているのだろうか。
その時、外で響く爆発音。
驚いたのか、小鳥が飛び小さな空気口に着地する。
「ﾔﾗﾚﾀ！ﾔﾗﾚﾀ！」
...やられた？誰が？
ﾐｰﾄﾞｰﾘｰﾀﾅｰﾋﾞｸｰﾅｰﾐｰﾓｰﾘｰﾉｰ♪
ﾀﾞｰｲﾅｰｸｰｼｮｳｰﾅｸｰﾅｰﾐｰｶﾞｰｲｲｰ♪
今度は爆発が目の前で起こる。
「瓦礫が鈴に当たったらどうするつもり？」
「へへっ、うちのダッセー校歌とその兎に愛着持ってんのは...おめーぐらいだぜ」
「んあ？こいつ...」
「ランキング2位、並盛中学風紀委員長、雲雀恭弥」
咬み殺したいやつが丁度来てくれた。
「自分で出れたけどまあいいや。そこの2匹は僕にくれるの？」
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雪兎(月兎)(プロフ) - ユズナ様、ご指摘有難うございます。修正いたしました。 (2015年10月1日 20時) (
レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ(プロフ) - 三十三片、うつ伏せの状態をうつ伏せにするっていう謎の描写が… (2015年10月1日 20時) (レス) id: 3fdd76a3cc (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 1807(銀)様、コメントありがとうございます。そろそろ二期に･･･ (2015年2月2日 0時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
1807 - 銀の名を変えました〜鈴ちゃん、強いなぁ・・更新楽しみにしています (2015年2月2日 0時) (レス) id: 917ddba170 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 銀様、コメントありがとうございます。理由があって人間のままです。マシマロ類の柔らかさが好きです、個人的に。 (2015年1月18日 11時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2014年9月15日 14時
