十五片 ページ17
荒廃した施設、黒曜ヘルシーランド。犯人のいる場所。入口には草食動物達。
「だ、誰だお前は！」
「こいつ並盛のヒバリじゃねえか？」
「よしやっちまえ！」
...草食動物でも僕を楽しませてくれるっていうなら止めはささないであげるよ。
血を浴びながら楽しさで顔が歪む。
「群れるから、そういうことになる」
ずいぶん咬み殺したけど親玉はどこなんだろうか。
こっちがどんどん中に行ってるのは把握済みだろう。
施設内にも居るみたいだね。うまく物陰に隠れたつもりみたいだけどバレバレだ。
襲ってきた草食動物をガラスへ殴り飛ばす。ちょうど、それらしい部屋だった。
「やあ、よく来ましたね」
黒曜の制服を着崩した男。
影になりあまり顔は見えないが、落ち着いた声色に直感が告げる。
「随分探したよ。君が悪戯の首謀者？」
「クフフ、そんなところですかね。そして君の町の新しい秩序」
「寝ぼけてるの？並盛に2つの秩序はいらない」
「まったく同感です。僕がなるから君は要らない」
何を言っているの？並盛は僕の町だ。宣戦布告と取っていいのかな。
なら容赦はしない。
「それは叶わない。君はここで咬み殺す。座ったまま死にたいの？」
「クフフフ、面白いことを言いますね。立つ必要がないから座っているんですよ」
口を開くたびに癇に障ることを言う。
「君とはもう口を利かない」
「どうぞお好きに、ただ今喋っておかないと二度と口が利けなくなりますよ」
ワオ、勝つ気満々。自信のある言い方に闘争心を擽られる。
いったい何をしてくるのか。出方を窺っていると、くらり、と視界が揺れた。
「ん？どうかなさいましたか？顔色が悪いですよ」
何もかも知っているような言い方。汗が流れ落ちる。嫌な予感がする。
「黙れ」
「自分では気付いていなかったようですね。君が喧嘩を売った人物が何者なのか。僕も驚きました。トライデント・シャマルと呼ばれる超一流のヒットマンがこちらに来ているなんてね」
どこかで聞いた事のある名前。
「なんのこと」
体がフラフラする。地面が揺れているようで気分が悪い。
「彼の得意技はね、不治の病原菌を持つ蚊を操り敵を病死させるトライデントモスキート」
蚊。まさかあの時の。
鈴が恨めしそうに睨んでいた虫を思い出し首に残っている刺された痕を見る。
そこに、小さな花弁が降ってくる。
「ほらしっかりしてください。僕はこっちですよ」
「君のために急いで用意したんですよ。この美しい桜をね」
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雪兎(月兎)(プロフ) - ユズナ様、ご指摘有難うございます。修正いたしました。 (2015年10月1日 20時) (
レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
ユズナ(プロフ) - 三十三片、うつ伏せの状態をうつ伏せにするっていう謎の描写が… (2015年10月1日 20時) (レス) id: 3fdd76a3cc (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 1807(銀)様、コメントありがとうございます。そろそろ二期に･･･ (2015年2月2日 0時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
1807 - 銀の名を変えました〜鈴ちゃん、強いなぁ・・更新楽しみにしています (2015年2月2日 0時) (レス) id: 917ddba170 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(月兎)(プロフ) - 銀様、コメントありがとうございます。理由があって人間のままです。マシマロ類の柔らかさが好きです、個人的に。 (2015年1月18日 11時) (レス) id: 50f4ecb5a3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2014年9月15日 14時
