独占欲 (ページ15)

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「…つーじ、やばい」

勇翔の声がする…

何時かはわからん

ただ、今日はオフ

ゆっくり寝てぇわ………

「つーじ、つーじ……！」

「んぅ……」

あまりにうるせぇから起きてみると、

勇翔の体が、異様に薄かった

今までの感じとは、比べ物になんねぇくらいに

そりゃ、あんなメンバーにお馴染みの寝起きの悪さの勇翔が、朝早くから騒いでんだから

もっと早く、気づいてやればよかったのに

「ほんとに…終わりかも…」

「っ…んなこと言うなて…」

勇翔の声が小さい

姿も、どんどん薄くなってく

本当に、これが……

最期ってやつなのか…………？

突然すぎるだろ……

…いや、そんなことはない

ただでさえ、いつ消えてもおかしくなかった

その、消えるタイミングが来たってだけ

「つーじ…血ぃ…ちょーだい…？」

「……おぅ」

いくら薄くなってても、ちゃんと感覚はあって

いつもと同じ所に牙を突き刺される

血を吸う間の沈黙が流れて

勇翔の端正な顔が、俺から離れた

その表情は、いつもと違って悲しそうで

「……勇翔、たまには俺にもやらせろよ」

「え……？」

意味がわからないって顔をした勇翔の首筋に、思いっきり噛みついてみる

もちろん、俺に牙なんてものはないから、甘噛みで終わるけど

離れると、勇翔の首筋に俺の歯形がついとった

なんか、嬉しい

「つーじ……？」

「知っとる？首筋へのキスは、執着って意味があるって」

「しゅーちゃく？」

「お前を…勇翔を、愛してる……絶対に忘れないってこと」

「…そっか…、忘れない…」

それと…

「あと、お前は俺のものって印…かな」

「ふはっ笑」

こいつ！！

くっそ、せっかくつじちゃんが、頑張って恥ずかしいこと言ったのに！！

「ありがとう、つーじ」

「…おう」

もう、下半身がほとんど消えとる…

「勇翔…やっぱり…」

「つーじ！……____________」

「え…」

笑顔でなにかを言い残して

俺の大切な

初めて愛したヴァンパイアは、消滅した……

"つーじ！だいすき……"