独占欲 (ページ2)

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「キャラメル・マシュマロ・バナナタ～ルト♪」

自分の持ち歌を陽気に歌うバナナの人

「俊さーん！」

「なんだよ笑」

ダル絡みしまくる仲良しコンビ

「もう！ここはこうなの！」

「あ、うん！」

ダンスの確認をする、天使とナス

今日も、ボイメンメンバーは騒がしい

俺は、ただ静かに読書

楽屋では、大人しくしてるのが本来のだもんで

ただ、こんなうるさい楽屋でも

唯一静かなのが勇翔

ソファにもたれかかって、スマホとにらめっこしとった

ほんとに人間かよ

って突っ込みたくなるほどの、端正な顔立ち

色白で、俺とは正反対って感じで

ほんとに白い

なんなら、白すぎるような…？

「…勇翔？」

「っ…あ…」

「勇翔！？どした！？」

誰か！

スタッフさん呼ぶなりしてほしいけど、皆お喋りに夢中で、気づいてくれそうになかった

「つーじー…」

「勇翔、大丈夫か！？」

「あ…、ごめん…」

「ごめんって、な…」

言い終わる前に、強く強く抱き寄せられた

「勇…翔…？」

「ほんと、ごめん…」

混乱して、まともに考えられん

今、なにが起きとる…？

「っ…！！」

突然、首筋に刺さるような痛みが走った

なに…？

痛い、けど…

「っ…はぁ…」

やっと離れた勇翔の口には、真っ赤な血のようなものがついていた

多分、いや、絶対、俺の…

「…勇翔」

「…ごめんね、ちょっとこっち来て」

なんとなく察した

どうしても、聞かれたくはねぇんだな

楽屋を出て、テレビ局の外

春なのか夏なのか、よくわからない

中途半端で、優柔不断な季節

「つーじー…、さっきの…ね」

「うん」

「っ…」

…相当、言いたくなかったんだろう

でも、いつもはそんなに喋らない勇翔が

勇気を出そうとしてるなら

俺はいくらでも待つから

「俺ね…」

「うん」

「…ほんとは、ヴァンパイア…なんだ」

冗談きつい

寝言は寝て言え

いつもなら、そう考えるけど、今回は違う

きっと、これは本気なんだろう