トリップできたので未来を変えます。4【ONE PIECE】 (ページ10)

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(サクラ視点)

Aが皿を持って厨房へ行くのを椅子に座りながら眺める

……扉をあけて………Aが入っていた

食堂に1人…暇だ

ぼーっとしながらAを待つが、3分経っても厨房から出てこない

多分、さっきのオーナーだったか料理長だったか忘れたが……その人と話してるんだろう

あーやって人とすぐ話せたり、打ち解けられるのは一種の才能だと思う
素直に尊敬する

でもやっぱり、1人で待つのも暇だ

食後の運動がてら、デッキでも歩こうかな
そう思って席を立ち、扉のノブに手をかける

サクラ「……？」

微かに聞こえる、誰かが歩く音
海の音に紛れ聞こえてくる

多分聞こえるのは自分だけ、Aにも聞こえないくらいの音だ

扉を開け、神経を集中させる
耳を頼りに音のする方へ向かうと、マストの裏にさっきの金髪の男の人

名前は、確か……

サクラ「………なんだっけ」
しまった、顔を覚えたからと油断した

声に気づいたのか、金髪の男が振り返り目が合う

サンジ「お前…」

サクラ「……ぁ」

喉が蓋をしたように閉じて、視線が泳ぐ

お願いだ、こっちを見ないで
目が合うと、喋れないんだ

1人、オロオロしてると不意に目線が外される
海の方を見ながら、ぽんぽんと自分の横を叩く金髪の男

サンジ「……話、しようぜ」

こ、断れない……！

サクラ「……」

声が出ないのと、断る勇気がなかったのでビクビクしながらそっと距離を開けて腰を下ろす

サンジ「……フッ、ハハッ…変な奴だな、お前」

別にとって食ったりしねえからそんなびびんなよ、と肩を叩かれる

……いやこっちだって別に食べられると思ってビビってるんじゃない、思い違いも甚だしい

なんて、心の中で思ってみたり

すると、隣にいた金髪の男が喋り出す

サンジ「…お前、お姉さんとあんま似てねえな」

そりゃそうだ

サクラ「ほんとの…兄弟じゃ、ないから」

サンジ「そうなのか！？」

サクラ「っ」

サンジ「あ、悪りぃ」

サクラ「……あの人と、俺は血は繋がってない、でも」
兄弟……といっていいのか迷う、あの人と自分はもっと、別な……

サンジ「…仲、いいんだな」

海の方を見ながら、金髪の男が呟いた

サクラ「……大事な、人だ」

チラッと目だけ隣を見ると、バチっと目があってしまいすぐ下を向く

サンジ「………お前の姉ちゃんさ」

さっきまでとは違う、掠れた声

サンジ「なんか、雰囲気似てんだ

………俺のおかあさんと」