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「それじゃあ、私はこれで」
悩んだ挙句、私はメニューの中でも1番日本で食べた料理に近そうなものをチョイス
対するサクラは値段の安いものを選んでいた
別に、今回は私が払うつもりだから少しくらい高いもの食べてもいいのに
律儀だなあ
料理ができるまでの間、サクラとお喋りしてると、漂ってくるいい匂い
「あぁぁ……お腹空くぅ、この匂い」
サクラ「確かに」
さすがアニメや漫画で言ってただけのことはある、匂いだけでよだれが出そう
お店だし…行儀悪いかなーと机にだら〜っと突っ伏したいのを我慢し、静かに料理ができるのを待つ
そういや帰ったらまた作法の勉強とかあるんだよなー………今から考えるだけで憂鬱になってくる
サンジ「おまちどう様、こちらが和風ハンバーグで、こっちがカレーライスです」
「わ……ぁあ！美味しそう！」
自分でも驚くくらいの弾んだ声
憂鬱な気持ちも吹き飛ぶくらい、美味しそうな料理だ
サンジ「へへ、さあ冷めないうちに」
「どれどれ…」
ナイフとフォークでハンバーグを切り分け、いくらか息を吹きかけてから口に含む
「っん〜〜〜〜、おいしいっ！！」
美味しくてほっぺが落ちる、とかよく言うけどまさにそれだ
頬に手を当て、味わって食べていく
サンジ「……」
「ん〜っ、美味しい。……料理、とっても美味しいよ、サンジ君」
何やらずっとこちらをみてるサンジ君
美味しいかどうかとかを心配してるのかな
そう思った私はサンジ君の顔を見て、再度「美味しいよ」と笑いかける
サンジ「……ぁ…さ」
「…サンジ君？」
サンジ「………え」
「大丈夫？サンジ君、ぼーっとしてたけど」
顔を覗き込もうとするが、すっと躱された
サンジ「あ、いや……お、俺、皿洗ってくる！」
「え、あ、サンジ君！」
皿洗いったって……まだ私たち食べてるんだけどなぁ
突然、そう言い捨て厨房に走っていったサンジ君
一体どうしたんだろう、と考えながらハンバーグに向き直る
「………んー、ねえサクラ」
サクラ「？」
もぐもぐとカレーを頬張りながら顔だけ上げてくれたサクラに聞いてみる
「私……なんかしたかなあ」
サクラ「……っ、思い当たる節はない、かな」
「だよねぇ…」
本当、何か言っちゃいけないことでも言ったか？私
美味しいはずのハンバーグも、なんだかさっきより味がわからなくなっちゃったなぁ……
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作者名：夏至 | 作成日時：2018年1月18日 17時
