トリップできたので未来を変えます。4【ONE PIECE】 (ページ32)

今日:6 hit、昨日:15 hit、合計:116,897 hit

82-1 あらぬ所でページ32

ゼフさんやサンジ君に王族だとバレて変に扱われたくないと言ってた割に

どうでもいいことに気づいてしまった私は、その考えを振り払うように頭を振って手元のバケツを見た

あー、もう中身がないや……ってそりゃそうか
あんな勢いでバシャバシャまけば水もなくなる

「私ちょっと水汲んでくるから休憩してて」

カナリヤ『はーい』

掃除を続ける兄と弟に伝えてから、船の手すりの方へ向かう

「よっし……」

ロープをバケツの持ち手にしっかり結び、手すりを覗き込んで
潮の流れがなるべく弱そうなところに狙いを定め、バケツを放る

一瞬のうちに水が入ったバケツを縄で引き上げ、2個目のバケツも同じように縄を結ぶ

その間にも変なことしてないか、と確認も込めて振り返ると…

カナリヤ『サンジ君、交代しない？』

サンジ「はいっサクラやAさん、カナリヤさんに任せてるだけなのもって思ってたんで是非！」

うん、大丈夫、あり得ないくらい平和だ

ほっと息をついて私はまた作業に戻る
バケツを放って、水が入ったら持ち上げる……

「あ、と」

途中でバケツが傾き中の水が殆どこぼれてしまった

「やり直しじゃんかYO……」

また同じ過程で水を汲む

引っ張り上げたそれを手すりの内側に慎重におき、縄を外して両手に水の入ったバケツを持ち

そして、そのままみんなのところへ戻ろうと回れー右

この手際の良さは、昔ダダンさんのとこで働いたから身についたもの……とも、言い切れないけど
我ながら器用な方だとは思う

その時ふいに遠くの海から音が聞こえた気がした
私の幻聴じゃないかとも思ったがサクラにもどうやら聞こえたらしい

私より随分険しい顔をしている

少し早歩きで3人の近くへ行き、バケツを床に置きながら聞いた

「サクラ、何聞こえた？」

サクラ「金属音……多分、剣の音。後は沢山の男の声」

カナリヤ『どうやら海賊みたいだねー』

目を凝らし、遠くをみる兄
その表情は、笑ってはいるが和やかなものでもない

「大丈夫、まだ敵って決まったわけでもなし…ね？2人とも」

この船の船員がいないというのも相まって、サンジ君はプチパニックになりかけたので

安心させようと海を見つめる2人、サクラとカナリヤに聞いた

しかし、現実はそう甘いもんでもない

サクラ「………敵船っぽい」

カナリヤ『どうにか示談で済ませたいところだけどね』

「………しゃあない、サンジ君頑張るよ」

サンジ「え………ええぇぇぇえええ！？」