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ジリリリリリ………
けたたましく鳴り響く目覚まし時計を止め、大きく伸びをする。
『ふぅ………』
眩しくキラキラ光る朝日。
『今日は晴れだな………』
晴れの日は気分も上がる。
今日も一日が始まる。
『朝ごはん作らないとな………』
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「おぉ〜、おはようA!!」
『おはようございます、蒼介さん』
朝から元気が良いこの人は、小山内蒼介。
1年前くらいからここ、「にじや」で住み込みで働いている。
賑やかでお節介だが、良い人だ。
「だから敬語使わなくていいって!
俺もここの家族なんだから!」
『……う〜ん、もう敬語で話すのに慣れてしまったので……』
「うん、じゃあ今日から敬語禁止で!
あと、蒼介さんじゃなくて蒼ちゃんでいいから!」
え、この人日本語通じてる?
私の話聞いてた??
『え、なんでそうなるんですか……??』
「うん、じゃあ今日も一日頑張りましょう〜!
お〜!!」
『……はい、頑張りましょう(笑)』
なんだかんだこの人がいると元気になるんだよなぁ………
私が住む「にじや」は、古びた店舗兼住宅のお好み焼き屋だ。
蒼介さんともう1人、ここに住んでいる野田銀次、私のおじいちゃんが店主である。
鼻歌を歌いながら店の掃除をしている蒼介さんを眺めながら、厨房の鉄板で朝食の準備をする。
「お、めっちゃいい匂いする〜」
『今日はエッグベネディクトです!』
「おぉ!何だかわかんねぇけどすげぇ!美味そう!!」
蒼介さんはどうやら流行りに疎いらしい。
とりあえずリアクションがいいので大目に見てやろう。
「あ、そういえば」
『?』
「シェアハウスの件、考えてくれた?」
シェアハウス………??
『何か……ありましたっけ……??』
「ほら、2階俺とAだけだと有り余ってるじゃん?
だから家賃とって、おやっさんの生活費と、お前の大学の学費の足しに出来たらいいなぁ……と思って。」
え、めちゃくちゃ気を使わせてしまっているなぁ……
私は今、大学の学費はバイトで賄っている。
でもそれは、じいちゃんや蒼介さんに迷惑をかけたくないから。
『そんな、気を使わなくていいです。
自分のことは自分で何とかします。』
「いや、でも……大学通って、毎日バイトして、って体力的にキツイだろ……」
『私は大丈夫です。心配いらないです。』
「………そっか、」
『ほら、出来た!食べましょ』
「………おう」
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作者名:(^-^)/ | 作成日時:2022年2月20日 20時