人たらしの伝説歌い手

２６　増えた ページ30

名無しside



俺が名無しだと、まふくんにバレた前回。

ファンだと、また会いたいと、言ってくれた。



スパン短いんだよゴラァ！！！



もうトラウマになりそうなんだけど。眼前の相川真冬宅。

ほんとお願いだから外出てまふくん。頼むって。



___ピンポーン



？「は〜い」



『配達です』



･･･いつもと声違った。誰か来てんのか？



てかここで気付けば良かったんだよ。

誰か来てるとしたらまふくんの関係者だって。



ガチャ。



？「っいしょ」



わあ〜天月くんじゃあ〜ん(壊)



『相川真冬様でお間違いないでしょうか』



天「はい」



お間違えあるだろ。バリクソ天月くんだよ。

そんなこと言えないから頭の中で自分と会話する。



まふくんの印鑑を天月くんが押して、まふくん宛の荷物を天月くんが受け取った。

色々起こりすぎてもう疲れてきた。帰りたい。



ま「翔太くん誰ー？」



天「荷物ー。頼んでたやつ」



ま「え"」



多分まふくんであろう声が部屋の奥から聞こえた。

ドタドタって足音。

出てきたのは、この家の家主。



ま「なな、し、さん･･･」



喜びと驚きを含んで小さく呟いた一言は、俺の耳にはっきりと入り。

隣にいる天月くんに届かない訳もなくて。



天「名無しさんが何？急にどしたの？」



ま「っあ、いや･･･なんでもない」



俺の正体が天月くんにバレないようにしてくれたのか、小さくお辞儀をして部屋に戻っていくまふくん。



じゃあ失礼します、とだけ残して俺は駆け足でトラックに戻る。



少々パニックの俺の頭は、生天月くんかっこよとか言うバカみたいなことしか考えられなかった。



まふまふside



走っていく配達のトラックを窓から見送って一息。



あまちゃんだけずるい。僕が出れば良かった。



･･･どうしよ。嬉しくて名無しさんって呼んじゃった。



天月side



まふくん何で急に名無しさんの話したんだろ。



そーいやあの配達の人声綺麗だったなあ。(デジャヴ)

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