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そう、私は女中として働いている、のだが。
そろそろ貯金も溜まってきたし、バイトだけでも良さげな頃。
やめたい気持ちもあるが色んな人にお世話になっているから無理、だ。
別に人は悪くない…し。
「だるすぎる…ん?」
木と木の間に…銀、赤、こげ茶の髪…?
「おい!女中にバレてんぞ!」
かすかに聞こえる男性の声、
「うるせえなあ!!コッチは真剣に木と同化してんだヨ!!」
「いや銀さん神楽ちゃん、その会話でバレてますよ」
…同化する気あるのか?
気づかれないように徐々に近づいていった。
「ええと、どなた?」
「ギャッ!!」
割とビビったらしい。
「ええええとすみません!うちの子達が!!」
「おい銀ちゃん!!!銀ちゃんが悪いネ!」
「ししし知らねえし!お前が屯所に来てご飯もらおうって言ったんだろーが!」
「それは銀さんが給料くれないからですよ!」
「えええと、大変そうですね…お名前は?」
「そうね銀ちゃん!はよ金よこせ!」
聞いてなさそう…
「あの、銀さん?なんでここに…」
「だーかーらー!お前がタダ飯食おうって言ったから……です」
徐々に青ざめていった銀さん?
そこまで険悪な顔していたのか。私?
「あのお、そのバズーカ置いてくれない?総一郎くん…」
「残念でさァ、旦那。あとその他諸々」
「何がその他諸々ネ!サド!」
沖田さんは黒い笑みを浮かべた。
「たぬき、お前も残念だったなァ、夕飯まで覚えときやす」
「え」
どおおん…
屯所内で、鈍い音が響き渡った。
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作者名:奈津美きゅん | 作成日時:2021年8月14日 2時