【MASHLE】風紀委員長はキレそう

嫉妬と風紀委員長 ページ25

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『…っえ』



彼の声が次第に遠のいていく。
これは告白？いや、でもお付き合いじゃないし…。
って言うかなにこれ顔熱…。

そうして1人で百面相していると、
私とドット君の間に腕が伸びてきた。
それはドット君が差し出した手を掴む。



｢…なんか嫌だ｣



その手はマッシュ君の手だった。



｢…っはあぁ！？
俺はAちゃんに言ってんだよ！！
お前じゃねぇキノコ頭！！！｣

｢…なんか嫌だ｣

｢んだよそれ！？｣



2人は言い合いを始めてしまった。
あー不味い…！早く答えないと…！

私は、言い合う二人の間に立った。
そしてドット君に向き直う。

大きく息を吸って口を開いた。



『お付き合いを前提は約束できない！！
でも友達になるのは大歓迎です！！！！』

｢…｣



勢いよく頭を下げて、私はそう言った。
彼からの返事は無い。

不安になって彼の顔を覗く。



｢…おう｣



彼は、目尻を下げて小さく笑った。
そんな儚い顔に胸が高鳴る。

そんな顔、出来るんだ。

ドット・バレットが仲間に加わった





*





『…』



現在、私は保健室にいる。
なんでも医療系の人員が足りないらしい。

そんなことは普通ありえない。
そう、普通(・・)なら。



『どういうことだ…』



10を超えるベットは、全て埋まっていた。
その内のほぼ全員が魔力の異変を訴えている。

私はある人の元へ足を進めた。
そこには例の竹先輩が居た。
彼も例外ではなくやつれた顔で俯いていた。



『すいません…少し宜しいですか？』

｢あぁ、君は例の風紀委員長か…｣

『今回の件について、お伺いしたいのですが…』



竹先輩は顔を歪ませた。
…無理もないか。いつも気骨で活力に溢れた彼がこんなに衰弱するほどの事件だ。

私は一歩下がって頭を下げた。



『無理をさせて、ごめんなさい』

｢いやだいじょ｣

｢この人がトム先輩か｣



背後で突然聞き馴染みのある声がかかる。
肩がびくりと跳ね上がった。

私はゆらりと後ろに振り向く。



『…やっぱり君か、マッシュ君』

｢うん｣

『ちょっとしゃがんでくれないか？』



そう言うと、マッシュ君は素直にしゃがんだ。
彼のつむじが見える。私は右手を掲げる。

そして、彼の頭に鉄拳を食らわした。



｢え…いた｣

『前にも言ったよね！
背後に立って急に声を出さないでって』

｢うん…ごめん｣

『…』



マッシュ君はしょんぼりと頭を押さえた。
くっ…何だこの罪悪感…。

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