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山田side
朝、普通に過ごしていた土曜日は過ぎ、日曜日になっていた。
母さんは休みをもらったらしく、土日は休みになった。
俺は朝ほとんど一人だったから母さんがキッチンに立っていると母さんがいると実感する。
「おはよう、母さん」
「あ、おはよう涼介。早く支度して行きなさいね。」
「分かってる。」
母さんとの会話をしてダイニングテーブルに置いてある朝食を食べた。
味は変わってないな、と思いながらどんどん口にご飯を運んでいった。
.
「薮くんには制服と小さい鞄だけでいいって言われたし…」
着替え終わった俺はソファに座り、スマホで薮くんとのメールのやり取りを見る。
知念と大ちゃんは2人で行くらしいし…と画面をスクロールさせながら思う。
《明日何持ってけばいい?》
《制服とちっさい鞄だけで大丈夫だぞ》
《分かった》
たった3文。
でも持ち物とかは分かったし、薮くんも言ってくれたし、と俺はまだやり取りを眺めていた。
するとピンポーンと軽快な音がした。
はーい、と母さんが玄関に出る。
誰だろ、配達か?と俺はスマホから顔を上げる。
俺もそろそろ出るとするか、と考え手に小さい鞄を持った瞬間。
「おはよーやまぁー!」
「うぇっ!?」
俺は驚いてスマホを危うく落としそうになる。
え、今のって…裕翔?なわけ、なわけない。
はは、とその場で静かに苦笑いをすると涼介ー、と母さんが俺を呼んだ。
「裕翔くん来たわよー、涼介も行きなさーい」
「やっぱ裕翔じゃん!!」
なんで朝まで俺を呼ぶんだよのっぽぉ!と心の中で叫んで走って玄関に向かう。
階段を駆け下りると、裕翔が俺の母さんと一緒に仲良く話していた。
涼介やっと来た、と言う母さんの声に裕翔も俺を見るなり顔を明るくさせた。…犬か。
「なんで朝まで来るんだよ…」
「え、だって目的地同じじゃん?なら一緒に行った方が楽しいしその方がいいでしょ!」
「楽しいって…まぁ行こうとは思ってたけど、」
「じゃあいいじゃんよ。じゃあやまのお母さん、行ってきます!」
行こう!と元気な裕翔に引っ張られ、俺は何とか着いていく。ちゃんとお母さんに行ってくるの挨拶は忘れずに。
.
「まぁ2人の方が確かに楽しいしいいけど…」
「照れてる?」
前みたいに笑われる。俺は横で殴るというような拳をする。
冗談!!とまた慌てる裕翔を見て俺は拳を下げた。
2人で歩いたのは何度かあったけど、やっぱどこか懐かしいな、と俺は遠くを眺めながら思う。
学校が見えるのを遠目に見ながら。
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デカリュク(プロフ) - 山田「ねぇ待って、高校生が武器持っちゃダメじゃない?」 薮「まぁ、小説の中の話だから」 山田「えぇ…」 (2021年7月24日 21時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» 互いに頑張っていきましょうね…!!私もmiomiyuさんの作品見て元気貰ったりします…!!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» これからも週に何回ぐらいの頻度かもですが、よろしくお願いします。いきなりでもとても嬉しかったですよ。miomiyuさんの言葉に何かから救われた気がしました。本当にありがとうございます…!! (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
miomiyu(プロフ) - デカリュクさん» 良かったです笑デカリュクさんの作品見て私も作品作り頑張ります!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 653723af42 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» miomiyuさん…、ありがとうございます…。なんかコメント見て泣きそうでした…笑 全然綺麗事じゃないですよ。むしろ私にとっての大切なありがたい言葉です。本当に励ましの言葉です。沢山の褒め言葉ありがとうございます…元気出ました。伝えたい事が伝わってきました。 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デカリュク | 作成日時:2021年4月20日 19時