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稜『なんでって…荷物取りに来たんだよ』
タ『へぇ、別れてから結構経つのに?昨日まで取りに来る気配もなかった人が昨日の今日で今さらなんで?』
『タクヤ…?』
稜『………』
タ『そもそも荷物なんて郵送でもなんでも手段なんかあんのに、わざわざ別れた女の家まで来るって?』
『タクヤ…、』
タ『正直に言えば?気になったんじゃねぇの?昨日偶然会ったこいつと俺の関係が』
稜『……そんなんじゃない』
タ『こいつの家に若い男がいて焦ったんじゃねぇの?俺らに何も無いってわかって内心ホッとしたんじゃねぇの?』
『タクヤっ、もういいから…稜雅、ごめんね?荷物、寝室にあるから一緒に確認ついでに取りに来て』
稜『あ、…あぁ』
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これ以上居たら絶対複雑な事になる
そうなる前にこの場をなんとか切り抜ける為の
精一杯の逃げ道として私は荷物が閉まってある寝室に稜雅と行った
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寝室の扉を閉める前にリビングにいるタクヤに
『大人しくここにいて下さい』と不機嫌気味に小声で言うと
チッと舌打ちと共にこちらも不機嫌そうにそっぽを向いた
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『一応…まとめてたのはこれで全部だと思うけど無いものとかあったらダメだから確認してみて?』
稜『あぁ…ありがと』
ガサゴソと鞄の中身を確認する彼は一通り鞄を漁ると
『うん、多分大丈夫』と言って荷物から離れ何故かベッドにストンと座った
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『え…』
稜『久々だな…この部屋』
『あ…うん、そうだね』
ベッドに座って布団を擦りながら俯きがちにそう言うと
パッと立っている私の方に顔を向けて
上目遣い気味のまっすぐな目でこっちを見る
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稜『…あの子の言うことに俺、まともな返しが出来なかった』
『え…あ、本当にごめんね。あの子の言ったことは気にしなくていいから…』
稜『違う…違うんだよ』
『え…?』
稜『…あの子に、図星突かれて何も言えなかった』
『…稜雅?』
稜『全部見透かされて…あの子の言う通りだ』
『稜…雅?』
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稜『A』
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一瞬、時が止まったようだった
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私は確かに今、彼にキスをされている
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ららか7(プロフ) - 更新楽しみに待ってますっ。 (2017年3月8日 21時) (レス) id: 427e8f66fd (このIDを非表示/違反報告)
こすも(プロフ) - 更新まってます!! (2017年3月3日 17時) (レス) id: 313d33003e (このIDを非表示/違反報告)
ど新規8号車 - タクヤくん、可愛い( 〃▽〃)更新頑張ってください!応援してます!!! (2017年2月20日 20時) (レス) id: bfeefa33f5 (このIDを非表示/違反報告)
SAKISAn☆(プロフ) - めっちゃ面白いです!更新がんばってください!! (2016年12月22日 16時) (レス) id: d6a15ba5b0 (このIDを非表示/違反報告)
平安京@アイコンはのっきーより。(プロフ) - オリジナルフラグを外しましょうね(*^▽^*) (2016年12月17日 13時) (レス) id: 2c9f73144a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:natsume。 | 作成日時:2016年12月12日 11時