ツンデレなペットを飼うことになりまして。 (ページ40)

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40. ページ40

。

『…ねぇ、タクヤ』

『ん？』

『聞こうと思ってて忘れてたんだけどさ…』

『…なに？』

．

映画が始まって30分

でも、あまり好みのものじゃなくて正直失敗した

だから画面から目を逸らさず言葉だけ隣の彼に向けて
聞かなければいけなかったことを思い出して聞いてみた

．

．

『…今日、どうして急に不機嫌だったの？』

『…べつに』

『べつにって、…』

『なんもねぇよ』

『でも…様子が変だったから…』

『べつに。…なんとなくただイライラしただけ』

『…もしかして、私なんかしちゃった？』

『…ちげぇよ。本当、なんでもねぇから。』

『…そっか。ごめんね、しつこく聞いて。でも…なんかあった時は言ってほしい…正直に。』

『…ﾊｧー…はいはい、わかりました』

『…うん』

．

．

ほんとうは、もっとちゃんと聞きたいけど…

タクヤが何かあった時は言ってくれるのを待てばいい

これから、タクヤの事をもっともっと知っていけばいい

．

．

．

『…じゃ、今度は俺からあんたに聞くけど』

『…ん？なに？』

．

．

『…今日会った男。どっちがあんたの元彼？』

『え…』

．

．

タクヤの視線はまっすぐ画面に向けられていて

でも、言葉はたしかに私に向けられたもの

．

．

『…え、なんで、』

『なめんな。馬鹿でもわかる』

『嘘、』

『ま、俺の予想だとあの細いイケメン風な奴かな』

『…風じゃなくて、本当にイケメンです…』

『あれ？俺もしかして当たっちゃった？』

『…………』

『…わっかりやす。ふぅーん、あいつがご主人様のね～』

『…もう、関係ないですから』

『そんな風に見えなかったけど？』

『…、そりゃ、少し戸惑いましたけど』

『ふぅーん。…ま、あんたもだけど向こうも様子変だったけど』

『そりや、気まづいですよ。振った相手に会うなんて…』

『それだけかねー…』

『それだけです。…絶対』

『……まだ、好きなの？』

『…違います』

『俺にはさっき正直に話せって言ったよな？』

『…ずるいです』

『結構結構。…で？』

『………すき、です』

『………あっそ。』

．

．

ずっと言わずにいたのに、タクヤはずるい。