ツンデレなペットを飼うことになりまして。

34. ページ34

。






稜『……』


『………』









．








なんか…とても気まづい


結構自分の中では整理ついたと思っていたけど

目の前には数週間前まではもう何度も見てきた

キレイめな私服姿の私の元恋人…






会社では毎日会うけど、業務連絡以外はほとんどお互い目も合わない









．









小笠原が質問を濁したのも無理はない









．









．









海『…お前らあからさますぎ』


『…だって…』









まさか休日に偶然会うなんて思わないから

振られた私が何を言えばいいかなんてわからない…









．









．









稜『…き？』



『…え？』



稜『いや、…元気？』



『え、あ…うん』



稜『…って会社で毎日会ってるか』



『…うん…』





海『…っあーもう、お前らぎこちなすぎんだろ』




稜『え？ん？…いやあんの…』


『そんなこと言ったて…』









海『お前らが終わったって俺は知らねーの。なんで今まで通りの３人の関係までなかったみたいなことになってんの？』




『小笠原…』




稜『海…』









．









．









確かに…入社当初からずっと一緒で

稜雅と付き合う前も付きってからも

私達、仲良かったんだよね。









小笠原もずっと心配してくれてたもんね









ありがたいし、わかるんだけど、でも…









．









．









．









『お話中悪いんだけどさ〜…』









．









．









．









どこからか聞こえてきたその声に思わず反応して
声のした方へ顔を向ける









聞き覚えのある少し低めの声



発信源は…斜め上の螺旋階段








手すりに肘をついて頬杖をつきながらこちらを

つまらなそうな顔で見下ろす私のペット。









『タクヤ…』









海『…誰？』


稜『………』









階段をリズミカルに一段一段ポケットに手を突っ込みながら降りて


こちらに歩み寄ってくると









．









『…きゃっ、』









．









．









いきなり後ろから抱きつかれた。

35.→←33.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す