ツンデレなペットを飼うことになりまして。 (ページ33)

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『え、小笠原！』

海『よっ(笑)買い物？』

．

不意に名前を呼ばれて振り向いたら私服の小笠原だった

休日でも彼の爽やかさは全開でチラチラと周りの女性の視線が浴びせられてるのも彼は気づいているのかいないのか。

『てゆうか…今名前…』

海『あー…ちょっと驚かそうと呼んでみた♪』

『なにそれ(笑)』

彼のクシャッと笑った時に猫のおヒゲみたいな線が入るのが
特徴的でたまに猫に見えてしまい不覚にも可愛いと思ってしまう

案外身近なとこにもペット向きな人がいたもんだ

…って、小笠原までそれは失礼か。

．

海『…佐野？』

『…へ？』

海『聞いてた？』

『え、ごめん…ぼーっとしてた』

海『ったく(笑)だから買い物？』

『あ、うん。ちょっとね』

海『ふぅーん。一人？』

『あー…えーっと…』

海『…ん？』

．

．

この場合は果たして…どう言えばよろしんでしょうか…

私嘘下手だしな…小笠原感鋭いし。

とりあえず話すり替えよう…

．

『お、小笠原は？！買い物？』

海『へ？あー…まぁ』

『そっか。一人？』

海『あー…うーん…どうだろ』

『ん？なにその回答』

海『お前も完全にすり替えたよな』

『え、違うよー…』

海『下手くそ(笑)』

『もぉー…で？誰と来てんの？』

海『一人だよ』

『はい、嘘。別に女の子でも冷やかしたりしないよ？』

海『いやいや、それはまじでない(笑)』

『本当～？じゃぁ隠す必要ないじゃん』

海『いや、むしろ女の子だったら隠さなかったというか…お前にはちょっと気まづいというか…』

『ん？…気まづいって何…『あ、海ー』

海『あー…やっべ』

．

．

『あ…』

．

．

小笠原がなんか様子がおかしい理由を

私の背後から聞こえて来た声の主でやっと察した。

．

ずっと私が好きだったあの声

振り返れば久々に見た私服姿に
心臓が少しだけ音を立てて跳ねた

．

私を見つけると少し戸惑った彼の顔

『A…』

．

．

．

『…稜雅…』

私の元彼。

．