ツンデレなペットを飼うことになりまして。

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ﾌﾞｫｫｫｵｫ…









『…なんだよ』と言いつつも大人しく床に座るタクヤの髪を

ソファに座って上から髪を乾かす。









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髪柔らかいな〜…サラサラ…








私と同じ匂いが違う男の人からする事に

ちょっぴり不思議な感覚がした









後ろからでは表情は見えないが


大人しく髪を乾かされるタクヤの後ろのシルエットが


なんだか可愛くて、表情を見られないことをいい事に

ニヤニヤしてしまうのが自分でも分かった。









．









．









丁寧に乾かしたらスイッチを切って『はい、完了』と

彼に伝えると、前髪をふしゃふしゃと撫でて

『ん、ありがと』と返ってくる









．









．









『これから、髪は私が乾かしてあげますね』




『…なんで？』




『ん？…さぁ〜？』






『…べつに、勝手にすれば？』









．







そう言ったタクヤの顔は無表情で変わらないものだったが

さっきまでの不機嫌な時とはどこか違った。









．









否定しないって事は、やっぱりそうだったのかな









ごめんね、あなたの可愛い訴えにすぐに気づいてあげれなくて









．









無意識に自然と私の手はタクヤの頭の上に伸びていき


乾いたばかりの髪の毛を優しく撫でる









．






『…ｯ！…なんだよ』





『ふふっ…いーえ、なんとなく？』






『んだそれ。変なご主人様だこと』






『あら、生意気なペットさんだこと』









．









こんな他愛もないやり取りでも


お互い目が合えば鼻で笑っちゃうんだから



お互い変なのかもね









．









．









．









『…そろそろ寝よっか？』



『ん。…俺どこで寝んの？』




『あー、そうだよね…とりあえずしばらくはソファで？』



『体痛くなる』



『わがまま言わないで下さい』





『…あんたのベッド広いじゃん』





『絶対だめです』





『今朝は良かったじゃん』





『あれは、あなたが勝手に入ってきたのでしょ？』





『ちぇ、ケチ』









．









ブーブー言うタクヤをよそに自分の寝室から

布団と枕を取ってきて彼に渡して、私はお風呂へと向かった。

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